短編連載小説 ミッドナイト・シティー
チャプター東京
「このみ」
「理仁」
今夜も年下の彼は、部屋に入るなり私を求めた。いや。求めているのは私の方だ。理仁はそれがわかっているかのようなタイミングで来てくれる。
今日はキッチンで。
上着をたくし上げ、ブラから胸を解放したまま後ろを向くと、理仁は背中から優しく抱きしめてくれる。彼は私の欲しい言葉を耳元で囁き、欲しい所に指先で触れる。
「んん」
声が出てしまわないように指を噛む。足の力が抜けて、崩れるように両膝をついた。シンクの洗い物が音を立てる。私はそ