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ことばごっこ-詩集-

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自分による自身のための、ことばの掃き溜めです。
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記事一覧

【詩】暴走機関車

暴走機関車 どこへ行く 正義正義と汽笛を鳴らし 暴走機関車 どこへ行く 真っ赤な轍だけ残し …

いしころ
6か月前

【詩】梅雨明けの歌

ザーザーザーザー目が覚めると 湿った空気がのしかかる 厚ぼったい雲が脂肪を垂れ流すからだ…

いしころ
3年前
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【詩】我が儘な僕の、我が儘にしたい君

僕に優しくしないでよ みんなの前、君の前、スマートにキマってたのにさ 生来の甘ったれを隠せ…

いしころ
3年前
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【詩】だれのせいですか?

大地が家を震わせたのは  だれのせいですか? 海が街を飲み込んだのは  だれのせいですか?…

いしころ
3年前
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【詩】ニキビ・ボーイ

どうしたんだい? お嬢さん 鏡に映るその顔は、ひどく元気がないようだ ああ なるほど そう…

いしころ
3年前
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【詩】渡り鳥

運河の渡しに佇むは 白い羽もつ渡り鳥 ぼんやりくらい闇を背に すらりとするどい姿が浮かぶ …

いしころ
3年前
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【詩】殺人事件

たったひとりの人が、ほんの少し気にかけて、ただの一言をかけてやる そうしてやることが出来たなら、彼処に鎮座するあの人は、いなかったかもしれない この無理解があの人を苛み、あの人は他人の理解を捨てた 一線を越えた やっとあの人に向けられた、無数の人の関心・言葉 でもあの人を理解する人は、ひとりもいない あの人への理解は、傷つけられた他人への無理解、とみなされ遮られる 手遅れだった  無理解がまたあの人を殺す 僕はテレビを眺めるだけで、ただのこれっぽっちもできやし

【詩】不自由なひと

白い杖で、足元を探る女がいる 義足で、階段を上る男がいる 声以外で、何かを伝えようとする…

いしころ
3年前
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【詩】月を見る女よ

月を見る女よ 月が愛しいか 寂しい月に見惚れる女よ その姿のなんといとけないことか 女は…

いしころ
3年前
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【詩】そらの血

澄み切った肌に鎌風走る 硬質な線が幾重も刻まれて 切り口を風が撫でる そこから白い血が揺蕩…

いしころ
3年前
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【詩】ガトーブルトン

ガトーブルトン 小麦粉、 砂糖、 卵黄、 バター、 そして 遥かな西の潮風が染み込んだ ブ…

いしころ
3年前
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【詩】洞−ほら−

愛してるって言われてもさ 聞き流せるさ 愛してるって書かれてもさ 見過ごせるさ 君の言葉は…

いしころ
3年前
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【詩】空−から−

彼女は 別のことを考えている 隣で 腕の中で 僕の下で これには 意味は無いんだ ここには…

いしころ
3年前

【詩】灰の星

真っ赤な三日月小脇にかかえ ステップ踏むのもいいじゃない ちゅうぶらりんな惑星蹴って 火花ちらした道しるべ さそりを灼いた運河を渡れば 太陽まわって着いてくる えんらえんらと燃え尽きて ながいながい煙が昇る 残ったのは灰の星 あおくしろく歩み いのちの跡を伝えている