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【大人】バイオグラフィーワーク⑤42~63歳は「与える時期」

人生を大きく3つにわけるとしたら、子ども時代から21歳くらいまでは、世界からモノも教育も愛も与えてもらっていた時代。そして大人になり、社会に出て与えたり与えられたり、アタフタしながら鍛えられる21歳~42歳。やがて、42歳以降になると、少しずつ自分から社会に向けて与えて行ける年齢になっていきます。

たとえば、旅行に行っても、おいしいもの食べても、どこか満たされない気分になる時があります。それってもしかして、実はこの年代が深いところで「与える」ことを欲しているからかもしれません。こういうご時世でなければ、関西圏で子連れだと、同席したおばーちゃんが結構な頻度で飴くれます(^^)/。

今回は人生の実りの時期、精神的な成長が課題となる42~63歳について、その時期の特徴や課題を7年ごと×3つに分けて見て行きます。

前回まではこちら
自分に学ぼう
人生を3段階に分けると
0~21歳までは「与えられる時期」
④21~42歳までは「交流する時期」

第7~第9七年期(42~63歳)の特徴と課題

21歳までが「与えられる時期」、21~42歳が「交流する時期」だとしたら、42~63歳は、ざっくり「与える時期」と位置づけられます。身体が衰えていく分、今度は精神的な充実を求め、実らせた人生の果実を落としていく=社会に何を与えて行けるか、が課題になってきます。

【第7 七年期(42歳~49歳)】「世界を正しくしたい」

老眼や更年期に現れるように、少しずつ身体が衰えていきます。それと共に、男性は内なる女性性を、女性は内なる男性性を育てていくことを意識しましょう。自分の内なるバランスを取るためです。そうでないと、男性性を外で振りかざしたり、女性は虚無感に襲われたりします。

この時期には人生の新たな課題である精神的な充実に向かうのがふさわしい時期です。今までの経験から新しい能力を身に付け、それを後輩に伝えたり、社会に還元したりすることを始める時期です。

【第8 七年期(49歳~56歳)】「世界を美しくしたい」

「50の恵み」という言葉もあるように、道徳的、倫理的な視点がますます育ってきます。そして、人間や社会に必要なものが何かを読み取り、自分の果実を使ってそれらの課題に取り組むことを喜びとします。

そろそろ、次世代への引継ぎや引退が視野に入ってきます。いい先輩になるか、迷惑な先輩になるかの分かれ目です。家庭内においても、子どもの主体性を奪って口を出したり、自分の代わりとして夢を託したりしないよう、気を付けたいものです。

【第9 七年期(56歳~63歳)】「世界を善くしたい」

管理職から降りたり仕事を退職したりして、自分の人生を振り返る時期に入ります。私の人生の課題は何だったのか、私はその課題にどう取り組み何を為したのか、など、世界や人生を深く見つめることが出来るようになります。

自分の人生を客観的に振り返ることで、社会や人間の精神的な理想はどういう状態なのかを見る視点が育ってきます。その理想に尽くしたい、世界を善くしたい、という思いに自分を捧げる、精神的なリーダーになっていく可能性があります。

実際にクラスで活動してみて

だんだん実年齢を越えてきたので、クラスでは第7七年期まででワークを終了しました。ちなみに実年齢を越えた人がいても、全員同じテーマで取り組みました。

毎回絵を描いたり粘土作品を作ったりするアートワークをしながらひとつの出来事を思い出します。作品を作りながら、思春期~35歳くらいまでの事は、「無防備に思い出して大丈夫だろうか」「人に話せる範囲のことに留めておかねば」なんて心配が浮かぶほど、アレコレ大変でした。

でも、42歳以降の「与える時期」に入ると、今の自分の年代だという事もあって、落ち着いて振り返ることが出来ました。突発的に外から攻撃されてビックリすることも減ります。自分から外に向かって日々何を繰り出しているか、という視点で行動を振り返ると、何を大事にしたいのか、みたいな本質がぼんやり見えてくるような気がします。

次回は、全体を振り返って、人生を貫く1本の糸を探してみた話です。お楽しみに。

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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参考:
サイト:
(社)バイオグラフィーワーク・ジャパン
ジュピター(バイオグラフィワーカーのサイト)
書籍:
バイオグラフィー・ワーク入門(グードルン・ブルクハルト著、樋原裕子訳)
昨日に聞けば明日が見える(大村祐子著)
おうちでできるシュタイナーの子育て(クレヨンハウス刊)
シュタイナーの人生学~生きることの意味 丹羽敏雄著

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