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【大人】バイオグラフィー・ワーク①自分に学ぼう!

子どもの頃に思っていた大人のようになっていますか? 私は思っていたのと全然違います。小さな頃は、大人って何でもわかっていて、何でもできるマルチな存在だと思っていたし、思春期の頃は、世界が理想から遠いのは、大人がサボっているからだと思っていました。そのくらい大人ってスゴイと思っていたのです。

それなのに、大人になった自分がこんなにデコボコだとは! 自分を自覚するにつれて、デコボコな世界と少しずつ仲直りし、ともに変わって行けることに希望を持てる、などという方向性があるとは想像もできませんでした。

子どもの教育は発達段階に応じて行われるのに、学校を出てからの「大人の教育」は、仕事のために資格を取るとか、何かのスキルを高めるとか、趣味を磨くとか、そういうことになりがちです。

大人だってこんなに未熟なんだから自分なりに成長していきたい。それぞれの年代に応じた課題を知って、そこに向き合うことで「人間」になっていきたい。そんな方向性を示してくれる指針を求めていた時、「バイオグラフィー・ワーク」というものを知りました。

バイオグラフィー・ワークって?

バイオグラフィ。日本語では「伝記」「自伝」などと訳されます。とは言え、自分史を書くということではありません。(社)バイオグラフィーワーク・ジャパンによると、「バイオグラフィー・ワークは、私達の人生のそこここにうずもれている宝物を掘り起こし、自分自身の経験に学ぶ自己教育のプロセスです」と紹介されています。

「バイオグラフィー・ワークってのがおもしろそうだから、やってみたいんだけど、誰か教えてくれる人知らない?」。周りの人に聞いてみたら、世界は狭い! 「この人は?」と紹介いただいた方が、翌週私が参加する予定の講座に偶然来られるというミラクルで、挨拶したその日に打ち合わせまで出来て、ファシリテーターとして来てくださることを承諾いただき、無事にスタートできることになりました。

そうしてお迎えしたのが、石田裕美子さん。まわりの人に呼びかけたら、「私もやってみたい」という人が8人も集まり、毎月1回、7年ごとに区切って8か月の挑戦です。いよいよ、それぞれの人生をひも解いて、その中から人生を貫く一本の糸を探し、未来につなげていけるのね! 

参加の際の心構え

さて、8か月の船出の初日です。8人の方と一緒に、まずは「はじめまして」から。何が始まるのか、ちょっとワクワクします。

初対面の人もいるので、輪になって座り、自己紹介がてら、一人ずつ、「住んでいる場所と名前」で1周、「好きなこと」で1周という風に、サラサラッと自分のことを話して行きます。そしてだんだん、「休日に行きたい場所と理由」「バイオグラフィー・ワークに期待すること」など、少しずつ個性の出る、考えて答える質問になっていきました。こういうワークで人の話を聞くと、「ああ、実はそれ、私も好きなの!」ということがいっぱいあり、仲良くなれそうな期待が高まりますよね。

お互いのことが少しずつわかってきて、場が温まったところで、これから8か月かけて取り組んでいく際の心構えや進め方についての説明がありました。


【取り組む際の心構え】
・無理のない範囲でなるべくオープンに話す
・自分の体験を信頼する
・ここでの内容を外で話さない
・今まで通りの判断を保留する
・学びの過程を大切にして、ゆっくり進む

「バイオグラフィー・ワークのガイドライン」と呼ばれるこの5つ。普段から心開いて話したい時にも思い出したい、お互いに安心できるルールですね。こうやって言葉にしてもらうと、わかりやすいです。

時間が足りないっ! 解決策は

そして、本題に入って行くのですが、その前に。
実は、バイオグラフィー・ワークに取り組みたいとお願いした際、ひとつ問題がありました。1回3時間、通常、次のような流れで進めていくワークを、諸般の事情で2時間半に短縮する必要があったのです。

・アイスブレーク
・年代ごとの課題の説明
・課題を表す人生の一場面を絵や粘土で表現
・2~3人で、事実、気持ち、今への影響をシェア
・全体で一言ずつ今日の感想
・クロージング

このうち、どこをどうしたら30分短縮できるのか。「All or Nothingにするよりは、出来る範囲でやりましょう」と、柔軟に考えてくださった方法が、①開始時間を厳守すること(←子どもの部屋の準備をしたり、会場にお金を払ったり、何かと遅れがちだった) ②シェアの時間を区切って交代の合図をすること でした。

限られた時間で、なんとか全員が自分に目を向けて表現し、互いに聞き合う時間を作るための苦肉の策でした。本当は時間の制限なんてしたくなかったはずなのに。ありがたかったです。

いよいよ人生の謎に向かう(予告編)

出会いのワークで和み、一通り説明を受けた後、いよいよ、人生全体を俯瞰的に捉える視点を教えていただきました。2本のU字曲線を見ながらのお勉強です。

人間は生まれてから死ぬまで、どのように成長・変化していくのか。20代から40代ってどうしてこんなに大変なのか。「50を越えたらラクになる」といろんな先輩が言っていたけどそれは本当か。老いる事はマイナスなのか。今の自分は人生全体から見たらどういう課題に取り組む時期なのか…などなど。

人生のいろんな謎に自分で答えを出していくためのヒントをもらいつつの、とても興味深いお話でした。3行で済ませるのはもったいないので、次回詳しくお伝えします。お楽しみに!


参考:
サイト:
(社)バイオグラフィーワーク・ジャパン
ジュピター(バイオグラフィワーカーのサイト)
書籍:
バイオグラフィー・ワーク入門(グードルン・ブルクハルト著、樋原裕子訳)
昨日に聞けば明日が見える(大村祐子著)
おうちでできるシュタイナーの子育て(クレヨンハウス)

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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