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【大人】気質を使いこなす③子育てに役立てる

前回、気質について整理し、別の気質になってみることで「困った人」へのまなざしが変わって行った不思議体験をお話しました。さて、今回のテーマは「気質を子育てに生かす」です。

▼子そだてに使える「魔法の言葉」

ヘルムート・エラー著「4つの気質と個性のしくみ」の4~6章を読んで、今日の担当Hさんが、 今回の範囲を1枚の図にまとめてくださいました。 すごくわかりやすくて大助かり。 それを見ながら、自分たちの日常の中で思い当たることを話し、気質を子育てにどう活かせるかを一緒に考えていきました。

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宿題の範囲の中に 「魔法の言葉」が書いてありました。魔法と言うからには、何かスバラシイ呪文に違いない! 「ある気質が強く出ている子どもに接する時、こういうことを意識していたらいい」ということを簡潔にまとめたもの、のようです。写真サイズの制約で見にくいので、書き出してみます。

多血(風気質)→人を愛する力をはぐくむ
胆汁(火気質)→尊敬できる人物を持つ
憂鬱(土気質)→他人の苦しみに気づかせる
粘液(水気質)→たくさんの子どもと遊ぶ

子育てで困った時には、この呪文を唱えればいい、ということなんですが…。

▼子どもの気質がわからない

そう言われても、私の見る目がないのか、自分の子どもが何気質の傾向が強いのかよくわかりません。子どもは小学校低学年で、泣いたり笑ったり怒ったりはしゃいだり、その時々でコロコロ変わります。だから、この魔法の言葉のうち、 どれを実践すればいいのかわからない。 う~ん、困った!

私だけかと思いきや、みなさんもそうだったようです。先生は大勢の子どもと接する機会がありますが、親は基本的に自分の子どもを単品で(?)見ています。一人っ子ならなおさら。他の誰かと比較して「〇〇気質」なんてグループ分けする視点を持たないので、意外とわかりにくいのかもしれません。

▼自分の気質にフォーカスして

子どもの気質がわからなくても、自分の気質にフォーカスすればいいんじゃないか、と視点を変えてみました。今度は、マルの外に書き出していただいた「親への注意点」に注目してみます。これまた見にくいので少しだけ書いてみます。

たとえば、 自分が粘液質(水)の傾向が強いとしたら、
子どもが粘液質っぽい行動をした時には「多様な関心を持たせること」を意識する。多血質(風)っぽい行動の時には「ものごとに深く取り組む機会を意識的に探す」ことを。胆汁質らしき時には「ナンセンスな怒りでも、相手が怒っている時には笑わない」ことを。そして憂鬱質になっている時には「子どもに関心を示す」ことを意識すること。

子どもの気質はわからなくても、気質ごとの対応を知っておくと、その時々の行動に振り回され過ぎないで済むために役立ちそうです。

たとえば、その時子どもが怒っていたら、胆汁的対応で、正面からまじめに受け止めることで落ち着かせる。泣いている時には憂鬱的対応で、抱っこして安心させつつ、親がピンチを乗り越えた時の話をして痛みを分かちあい、広い世界にも目を向ける手伝いをする…というように。

それならできそう! 自分の気質と、子どもの状態の組み合わせ。気質視点での陥りがちな行動や対応策を知ることは、子どもと自分とのいい関係を作るヒントになりそうです。

▼必要な時に必要な気質を出せたら

気質は、どれがいいとか悪いとかはありません。誰でもいろんな気質が混ざっているし、どんな気質でも極端に出てしまうと、困ったことになります。こういう時には、こういう気質で対応をしよう、という使い方ができればいいのですが、なかなか難しいです。

4つの気質をバランス良く持っていると、極端に走って周囲に迷惑をかけることもなく、必要な時に必要な気質を発揮して歩いていくことが出来ます。場面ごとに自由に気質を繰り出せたら、今より自由になれて、いろんなドアが開くことでしょう。

大人になって勉強するんだから、誰かに評価されるためじゃなく、各自の生きる現場を良くしていくために使うことを意識していきたいと思います。

次回は気質の最終回。クレヨンで色を動きながら気質に迫ります。

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オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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神戸シュタイナーハウス
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