独特の読後感、小6の僕ドカン。

僕は色んな小説、映画、漫画を観てきて、一貫して「物語はハッピーエンドが良いな」って思っていました。バッドエンドになるより、みんな仲良し!悪者も更生して新しい道を歩むことになりました!みたいな話の方が気持ちよく終われて良いじゃん、と考えていたわけです。

ただ先日、多分人生で初めて「これはハッピーエンドになったら気持ち悪い」と感じたお話があったんです。
それが2022年上半期の芥川賞受賞作「おいしいごはんが食べられますように」です。感想を書き出すと止まらなくなりそうなのでここでは割愛しますが、優しいふんわりしたタイトルとは真逆のドロドロしたお話でした。物語が終盤に差し迫った頃、「これ誰も幸せにならない方が、良い作品だったって思えるかもしれない、、、」と感じたんです。実際、濃厚な闇を抱えたまま最後の文字が綴られ、僕自身今まで読んだ本の中には無かった独特の読後感に浸ってしまいました。

作品自体の衝撃もかなり心に残りましたが、「バッドエンドでも気持ちいいことがある」ということを自分が理解できたことが衝撃的だった事を覚えています。

ただ今回の話は、これを機に僕がバッドエンド厨になった、という話ではありません。そんな予想通りの、種を植えたら花が咲いた、みたいな話はわざわざしません。
むしろ逆で、この経験をしてからよりハッピーエンドの良さに痺れるようになってしまったんですね。

漫画読んでて、ハッピーエンドでひと段落つくと、今まで以上に「はぁ〜良かったねぇ、うんうん本当に良かった、、、」と反芻しては、次の章に入る前に1、2話挟まる敵との急激仲良しエピソードに破顔。
よふかしのうた、読んだ?

つまり何が言いたいかというと、甘さを引き立たせる為に塩をひとつまみ入れる、ってのはこういうことなんだなってことです。
んーーーーお後がよろしいようで。


最後までご精読いただきありがとうございました。

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