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イトヨを食べて思ったこと、考えたこと。(前編)

イトヨとの出会い。

2019年と最近のネタで無く大変申し訳ないのだがふと天啓をうけ書くことにした。ちょっと真面目な内容もあり後半は堅苦しくなりますがご容赦くださいまし。
…ということで4月6日、土曜日。新潟の鮮魚センターをぶらついているとちょっと変わったパックが並んでいるのが目についた。
豆アジにしては体高が低くカタクチイワシにしてはガタイが良い。背が黒くピカピカ光るそれを手に取ってみると・・・。

こんなの。

新潟名物「イトヨ(北海道産)」

背鰭、腹鰭、尻鰭が変化したトゲが並び西洋甲冑のガントレットのような鱗板。細長い特徴的なえら蓋。「イトヨ」という魚だ。

鰭を立てると自立する。なんとなく顔つきがキュート。

このイトヨという生物。とっても面白い生態をしており地域差によって形態も変わり学術的にも非常に興味深い生物なのだが新潟では食材としての親しみが深い魚でもある。
かつてその昔、新潟では春になるとイトヨ釣りがよく見ることができ阿賀野川では刺し網を使ったイトヨ漁が行われ食卓にも並び農村部での貴重なタンパク源や春の風物詩として普遍的に人々と関わりがあった魚だ。
しかしながら河川の改修や用水路の整備、水田や農地の整備、採集圧などにより加速度的にその生息地と生息数を減らしていった。結果新潟のイトヨ「ニホンイトヨ(本州のイトヨ日本海型)」は絶滅危惧Ⅰ類(新潟市RD)絶滅危惧Ⅱ類(新潟県RD)絶滅の恐れのある地域個体群(環境省RD)として登録されている。
…と言うと仰々しくあまり詳しくない人には何のこっちゃだが「オジロワシ」「クマタカ」「ライチョウ」「タガメ」と錚錚たるメンツが揃っており如何に存在が危ぶまれているかが理解できる。

そんな希少な魚が何故パックにつめられ誰でも立ち寄れる鮮魚センターに並んでいるのかというとズバリこれが新潟県産のイトヨではないからだ。
まま、そんなことはよくある事よくある事。
これは北海道産のイトヨだ。降海型らしく新潟で食材として出回るのが北海道産が殆どだ。それも1キロ1万円というのも珍しくなくこの日も発泡スチロールの箱一つで5800円となかなかに高価だった。
一晩の食料としてはいくら何でも高すぎたので10匹程入った小さいパック(約400円)を三つ買って帰ってきた。

と概要を知っていただいたところで今回はここまで。
画像や書きたいことが多く一つの記事ではあまりに長くなりすぎると判断したので前編・中編・後編の三部構成にしていこうと思います。
次回は調理と食味メインで書いていきますのでお楽しみに。

内臓は取ったぞ!!(疲弊)

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