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[詩]こころを喰らう

こころを喰らう


あまりにも お腹がすいたので
こころを食べることにしよう
ましろな皿に 鈍色の叢雲
ナイフの先で すうっと切れた

フォークを刺したら硬いのに
口の中では 薄玻璃のよう
ぱりぱりちくちく 割れて刺す
破片が喉を切り裂きながら
胃の腑に落ちて虚ろになった

まだまだ お腹がすいている
だけど 食べるものがない
もうすこしだけ待ちましょう
また こころが湧いて出る

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