母と私、私と娘
母と私と娘
この間には
母と娘という関係がふたつ
祖母と孫という関係がひとつ
ここに姉を加えてみると
母と娘という関係がみっつ
祖母と孫という関係がひとつ
叔母と姪といえ関係がひとつ
生じる
私は母と仲が悪いということはないけれど
何というか、『上手く関係を築けなかった』と思っている。
これは今の認識であって、
子どもの頃はそんなことは思わなかったし、
もしかしたら今後変わるかもしれないけれど
多分もうこのままなのかな、という気がしている。
子どもが熱を出した、今日預かってくれない?
みたいなお願いごとをする時は、決まって母に連絡するし
まぁ父でも母でも、どっちかに伝えて2人で共有してもらえるような類のことは
母にとりあえず連絡するし
甘えてると言えばそうなのだけど、
心を開いて何でも相談できる関係かと言うと、そうではない。
そういう意味ではむしろ、お互いに言いたいことをぶつけ合って、
分かり合える部分は分かり合えるし、
分かり合えない部分は分かり合えないけれど
相手の考えを尊重して話せる関係にあるのは父の方。
ふたりでいる時にどっちが落ち着くと言うか、気が楽かと考えても
やっぱりそれは父親の方だな、と思う。
私と母の関係は、私が小5ぐらいの時から
少しずつ少しずつ歪み始めて、高2の時に爆発した。
思春期で、みんな親に反発するというレベルではないくらいにガタガタだった。
しまいには、母の方が家出を考えたと言うくらい。
もともと、私と母は『母親を必要としない』相性にあるらしい。
それは母から直接聞いた話。
そういう星回りなんだそう。
まぁそういうものを合わせ持っていたとしても、
関係が上手くいかなかったのは、やっぱり姉の存在を抜きにしては考えられない。
別にそれは姉が悪いのではなくて、
ただただ、親の言うことを素直に聞くし
何をやっても私よりできて、長続きする
姉に
いろんな期待をして、視線が向いたというのは
ごくごく自然なことだったな、と思う。
私は天邪鬼だし、親の言うことなんか聞かないし
自分でこうと決めたら折れないし
嫌なものは嫌だ、とやめてしまう。
親の目の届かないところで
好き勝手にさせてもらったからこそ今の私があるし
それはそれでありがたいと言うか、幸運ではあったとも思う。
母とのそんな関係の中で芽生えた「早く家を出たい」という気持ちも
地方に行きたい大学を見つけて、受験勉強に邁進するエネルギーになった。
ちょっとその志望校は無理じゃない、という母の言葉は他所に
私も、持ってる地頭のレベルから考えたら無謀なのは分かっていたし
半ば意地でしかなかったのだけど
自分で決めた以上、目標に向かって努力する覚悟ができた。
その一方で
とにかくひたすらな仕事人間で
一緒にいる時は姉のことばかりな母に
私の話はいつ聞いてもらえるんだ?
と思い続けていた私もいた。
結局「待っても聞いてもらえないんだ!ならば言わなくてもいいや!」
と自己完結した私がますます母に心を閉ざして
コミュニケーションが成り立たなくなる、という流れを辿った。
そんな私に娘が生まれた今。
娘がスヤスヤと穏やかに眠る顔を見ながら、
私はこの子と、母と私の二の舞にならないような関係を築けるのかな、と
漠然とした不安を持つことがある。
これは長男に対しては沸き起こったことのない気持ち。
まぁ息子が母親にあまりいつまでもベッタリなのもどうなんだ、という思いもあるからかもしれない。
娘もご縁があれば、お嫁に行く身なのだから、
親離れ、子離れ、という意味では適当に進めばなあ、という思いは
息子に対しても娘に対しても変わらないのだけど
なぜか娘との関係のことを思うともやもやしてしまう。
そもそも親が子どもの一番の理解者とは限らない訳で、
娘が早々に、心の支えになる良き理解者を他に見つけるのならば
もちろんそれはそれでいい。
ただその人に出会うまでの繋ぎでもいいから、お2号さんでもいいから
娘にとって、心置きなく話ができる存在になれたらな、と思ってしまう。
1人目と2人目、男の子と女の子。
それぞれのパーソナリティ。
私も夫も、2人を同じように育ててるいる訳ではないし
いろんな違いが重なり合うからこそ
随分違うなぁと思うことも多い。
一番ハッとさせられたのが
置いて私が出かけると、決まって娘は泣く、ということ。
お腹いっぱいで、気持ちよく眠っている時にこそっと抜け出しても、
何か変化に気付くのか、私がいなくなって間も無くして、必ず泣き出す。
そして寝ても浅い眠りで、わずかな物音で起きて泣くらしい。
私が一緒にいる時には別に手をかけてる訳でもなく
むしろ息子よりも全然手がかからず
抱っことか寝かしつけなんぞとは無縁で
ころんと転がしておけば、すやーっと何時間も寝てくれる。
ふにゃふにゃぐずり出したと思ったら、自分で指しゃぶりをして、また眠りについてくれる自己解決型。
でもそれは私がいる時だけらしい。
その点、息子は私でも夫でも、
抱っこして揺らしてたら寝てくれた。
6ヶ月も過ぎた頃からは、むしろ夫の抱っこでよく寝ていた。
娘を置いて出かけた先で
きまって「泣き止まない」と夫から連絡が来るものだから
「置いてかないで」というメッセージなように思えてきて
それからは夫に預かってもらえる時でも、割とどこにでも連れていくようになった。
まだまだちっちゃいし、
外出は時と場所をなるべく選んでいるけれど
地元の珈琲の焙煎屋さんだったり
あてもない散歩だったり
職場に顔を出したり
ちょっと郵便局に行かなきゃいけない、だったり
息子がこの月齢の時には行かなかったところへ、随分一緒に、たくさん出かけている。
これでいいのかな?とも思うのだけれど
一緒に連れ出した先でも、娘は抱っこ紐のなかでよく寝ている。
将来の関係性に響くのか響かないのか分からないけれど、
とりあえず、必要とされる時に一緒にいよう、と思う。これからも。
「泣いてもわかってくれないんだ!ならばもうひとりでいいや!」
ってならないことを願って。
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