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#短編小説
『血が、止まらない』
始
うあー痛い。
つい、大きな声が出た。
はじめて、切った。
まだ、ドキドキしてる。どんどん、ドキドキが増幅してる。
こんなことやる人ってどんだけ肝座ってるんやろうって、ずっと思ってたけど、意外といけた。
おお、血が、流れ続けてる。
やべー、これまじでやべー、
あー、、
このまんま、いつまででも流れ続けて、干からびたい。
深くいったなぁ、あ、あ、
さっき睡
『幻やったんかいね、、』
始
この世界の片隅に、
お花が一輪、咲いてたとさ。
ある時、蜂さんが、話しかけたと、
「ねぇ、お花さん、お花さん、
ずっとそこで、咲いとてくれる?
お花さんがおるから、
わたし、
生きとるんじゃ、ないかね、、」
お花さんは、こう答えたと。
「いのちは終わらんよ、、
いのちは、おわらんよ、、。
あんたがおるから、
いのちは、おわらんよ、、。」
蜂さんは、
また次の日、
『風の吹く丘の上で、風が吹いた』
始
ゆっくり、ゆっくり、でも、しっかり、しっかりと、一歩一歩、大地を踏みしめて、登ってゆく。
ザワザワという、木が揺れる音がして、少し雨が降った後の匂いがする。
細い山道の旧道を、少しずつ進んでいる。
上を見上げると、太陽の光がほとんど入ってこないほど、木が生い茂っている。
後ろを振り返れば、自分が歩いてきた道があるだけで、誰もいない。
前を見ても、ただ、ゴールの見えない森
『記憶の淵から撥ねられて』
始
ここは、どこだろう、、、。
白い天井が見える。横にはカーテンがかかっていて、少し風でヒラヒラとなびいている。
身体の節々が痛い。左足に激痛が走った。
左足を見ると、ガッチリと白い包帯でぐるぐる巻きに固定されている。骨折でもしたのだろうか。
自分は、どこで、何をしていたんだろうか。
記憶の末端を辿り始めてみたが、なんだろう、この感覚は、何かあったような、どこかで、生きてい
『白い靄のその下で』
始
あれ、なんだろう、この世界は…
目の前には、何も、世界が広がっていないようで、それでいて、何か、あるような雰囲気だけを感じる。
隣を見ても、誰もいないし、目に見えるところに、人影はない、、、。
ふと、足元を見ると、なんだか白いモヤの上に立っているのに気が付いた。少し息をフッと吹きかけてみた。するとほんの少しモヤがフワッと舞い上がり、横に消えていくのが分かった。モヤの下に、うっす
『誰がために鏡は灯る』
始
「鏡のモヤが取れない、、」
妹が、そう言ったので、私はとっさに鏡を見た。
よく見ると、たしかに鏡に白いのか灰色なのか分からないが、モヤがかかっている。なんだか、胸がホッとした。
「まぁ、時間がたったら、消えるか、、」
妹はそう言って、髪を編むのを途中で諦めた。
私は、鏡に映る自分が、大嫌いだった。顔も気持ち悪いし、笑顔も気持ち悪いし、そもそも、なんだか映ってる全てが、気持ち悪