ストリートファイターで使用するデバイスについて (続き)

 前回の記事の続きです。今回はスト5だけでなくスト6を見据えた、各デバイスの掘り下げた話をしていきます。ストリートファイター6発売まであと2ヵ月を切っている段階ですので、自分に合ったデバイスを決めておきましょう!

パッドだとミスが多いって本当?

 結論:スト5だと本当です。でも、スト6だと同じミスは無くなります。
前提知識として、スト5に限らず、様々なタイトルで"離し入力"なるものが実装されています。これは移動ボタンを使用したタメ入力とは異なり、攻撃ボタンを離した際にもその攻撃ボタンを入力した(押した)と処理される、言わば共通仕様になります。そして、スト5ではこの設定OFFにできず、スト6ではOFFにできます。この離し入力がパッド使用の際、悪影響が出るのです。というのも、人間の親指とその他4指では、使用している筋肉が異なり、ボタンを押す動作を行った際の挙動が異なるのです。4指の場合は押した後に元のポジションに自然と戻るのですが、親指は戻りが鈍いのです。その結果、4指の場合は離し入力が即座に行われ、特に影響も無く過ぎ去る一方、親指の場合は押した瞬間から数フレーム間を置いて離し入力が生じてしまうのです。従って、親指を離すのがうっかり遅れた+離す前にコマンドが成立してしまった場合、技が漏れます。これが、パッドだとミスが多いとされる通説の正体です。※勿論、個人差はありますが、筆者は特に暴発が酷いタイプです。

しゃがみ大Pから微溜め中フラに繋げるゾ~~~!↓
ところがどっこい。選ばれたのは、大フラでした。キーディスは正しいのに!!!
離し入力ONの時にのっそりボタンを離していると、こうなるのです

 レバーとレバーレスの方は4指で入力するので、上の10数行は関係ありません♨離し入力OFFって何の意味があるの?なんて、冷たいコトもう言っちゃダメです。
 幸いにして、スト6では離し入力OFF設定にできました(スト5の時点で要望は出していました。恐らく、同じ要望が来ていたのでは……)。実際ベータテストで試したところ、暴発が減って好感触でした。ただし、従来のガチャ気味入力は出辛くなっているので、攻撃ボタン複数個ズラし押しをする等で保険をかけた方が無難です。
 余談ですが、スト6で攻撃ボタンを溜めて出す必殺技が実装された場合は、押しっぱのフレームを計測した上で離し入力(溜め解放)を成立してくれるのでしょうか?だとすれば、溜め技以外の離し入力が成立するフレームを個人で設定できる様になるのも、面白いかもしれませんね(例:攻撃ボタンを7フレーム以上押していたら離し入力成立など)。

スト6でパッドを使用することの所感や注意点

 結構いいんじゃないかな、と思います。というのも、大体のボタンに常時指がスタンバっているので、レバーレバレスと違い運指テクは求められません。その上でボタン設定が多くできるスト6仕様なので、複数ボタンに自然とスタンバれる(=移動以外の、ドライブ系統に割り当てたボタン入力が早い)パッドの真価が出てくるのではないか……と楽観視しています。また、ながら入力(この場合はアシストボタンを押しながらの入力)もやりやすいので、モダンとの相性も良さそうです。
 注意点は、背面ボタンを使用する場合の設定です。パッドで背面ボタンを使用する場合、多くの方がジャンプボタンを設定するつもりだと思います(理由はファジージャンプがやりやすい等ですが、本稿では説明省略します。気になる方はヒットボックスの関連動画を視聴してください)。前提知識として、スト5時点でのパッドの仕様である、左右同時入力=前優先、上下同時入力=上優先の各仕様は、十字キー(移動ボタン)とアナログスティックの組み合わせであるからということを認識してください(アナログ入力との複合だからOKであって、パッドというデバイスだからOK、というのは誤りです)。つまり、背面にジャンプボタンを設定する場合は、十字キー(移動ボタン)の一部を背面にすることに他なりません。従って、背面ボタンと十字キーで同時入力をする場合は、ヒットボックスと同じレギュレーションに従うことになります。つまり、上下同時入力=Nに設定しなくてはいけません(※)。ぶっちゃけると十字キーと背面ボタンだけでしゃがみっぱサマーはダメだぞ!ってぇコトです。予定が狂った(´;ω;`)。
 一方、アナログスティックでしゃがみ入力しながらの背面ジャンプはOKです。つまり、普段からアナログスティックで移動している人、大勝利です。私はスティック使わない十字キーオンリー派なので……まあヒトボと同じだから、いいんじゃないかな(適当)。背面アナログスティックはまだですか?
※記事公開時点でのCPT規定を読んだ筆者の解釈になります

キーボードでのプレイについて

 前回紹介してなかったキーボードについても触れたいと思います。
 キーボードの良いところは、ヒットボックスと違って指がクローズの状態で入力ができるので、手の負担が少ないことです。ただ、右手側ボタンはレバー仕様でも特に負担は無く、キーボード仕様であるメリットは薄いかもしれません。実際、移動ボタンだけをキーボード仕様としているミックスボックスなるものが以前から存在していました。
 また、ヒットボックスと違い左右の手にスペースを設けることもできるので、肩を縮こまらせない、カラダに優しい配置にもできます。筆者はセパレートキーボードという、二つに分割できるキーボードを試して見ましたが、負担はかなり軽減された実感がありました。エルゴノミクスキーボードというやつですね。デメリットは右手で移動ボタンを押す等の運指テクが使えなくなることです。
 入力の精度としては、ヒットボックスと大きな差は無いと思います。パッド以上にどこにでもあるデバイス、かつ理論値はヒトボと同等なので……最強か?? お試しにやってみるのも良いと思います。
 注意点は、キーボードは設定しないままだと左右同時入力=前優先、上下同時入力=上優先の仕様となっています。スト5だとこれでも問題ないのですが、スト6では少なくとも上下同時入力=Nにしないとダメですね。左右同時入力=前優先はちょっと解釈が分かりません。CPT規定の"両方の入力を維持"に該当するのですが、この結果前優先となるのはあくまでスト5の仕様である……かもしれません。スト6での挙動を確認しましょう。ただし、もっと掘り下げると、移動ボタンを使う場合は前優先は微妙なので、溜めキャラを除き、左右同時入力=Nに設定した方が良いと思います。というのも、スト5で出来ていた前押しっぱで下後ろ同時連打する方法が取れなくなるので、根性入力以外できなくなるんですよね。前情報の通り、スト6だとこの入力(1Pキーだと↓→↓→)は不成立になるので、そもそも根性入力が主流になると思われますが。ただし根性入力だと、猶予が少ない、かつ直前で逆波動の入力を求められるコンボはかなり難しいと思います(例えば、スト5のルークの弱フラッシュナックル→CA)。

オススメのヒットボックスは?

 結論:PUNKWORKSHOPがAliExpressで販売しているV3バージョンのものをオススメします。純正のヒットボックスは重いしデカいし、縦の幅が足りておらず、ベタ置きだと手の下半分が支えられないのですよね……。それと右手側のボタンサイズが小さく、スライド入力がし辛いです。
 軽量、薄型、メンテナンス簡単、縦幅確保のPUNKWORKSHOPをオススメします。なお、PICO基板とUFB基板のものがあり、その違いは、前者はPCのみの使用になること、後者はPS5でも使えることです。価格は圧倒的にUFBが上ですが、応対速度はむしろPICO基板に軍配が上がる様です。
 なお、PICO基板であっても納期が一か月以上かかる様なので、そこは注意しましょう。UFB基板に至っては在庫なしです。転売品の殆どはPICO基板なので、価格は良く確認した上で購入することをオススメします(納期とのトレードオフですね)。筆者はボタン改造したり、発泡スチロールの角材を張り付けて手のひらを置くスペースを確保した、純正?ヒットボックスを見ながら、溜息をついてます。誰か買ってくれ

終わりに

 いかがだったでしょうか?興味本位で様々なデバイスを試していますが、今のところは慣れたパッドでいいや、と思ってます。他に気になっているデバイスは、CCで話題になったエルゴボックスで、これもいつかは入手したいですね。
 もう間もなく発売するスト6。戦場で会いましょう。あと、デバイスを気にするのもいいですが、PC本体スペックも割と要求されているので、そこも備えましょう。
 (オマケ)Victrixが新しく発売するパッドに興味深々なのですが、発売は一か月後なので、スト6までに馴染ませる猶予がありません。というか高額なので、まずは試遊させて欲しいです(´;ω;`)EVOJapan行けば良かった~~~~~!!!試遊させてくれる方がいたら、連絡ください(切実)

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