データで見る日本代表の選出FWの「個性」
こんにちは。Stats Performの早坂です。
本日、FIFAワールドカップ2022大会の日本代表メンバーが発表になりました。大きなサプライズはなかったものの、森保ジャパンの常連だった大迫勇也と原口元気の落選が話題になっています。海外では、スコットランドのセルティックで得点を量産している古橋亨梧が選出されなかったことに、疑問を投げかけるファンも多く見られます。
負傷で直近の代表戦を欠場していた浅野拓磨や、経験の少ない前田大然と上田綺世が、大迫や古橋を差し置いて選出された理由はどこにあるのか。弊社のプロチーム向けのツール『ProVision』を使ってデータを出力し、考察してみました。
比較したのは、浅野、古橋、前田、大迫、上田(アルファベット順)の5選手のデータです。条件は、以下の通りです。
期間:過去2年間
大会:ワールドカップ予選、国際親善試合、キリンカップ
比較データ(すべて90分あたりの数値):
得点数(Goals)
枠内シュート数(SOG)
空中戦勝利数(AerialWon)
インターセプト、ボール奪取、タックル成功数の合計(Interceptions + Ball recovery + Tackles made)
こちらの図は、上記4つのデータを比較しやすいように棒グラフで表したものです。
枠内シュート数では、浅野が90分あたり3本弱を放っており、突出した数値になっています。空中戦が得意な上田は、やはり空中戦勝利数で他を圧倒しています。守備の数字では、前田が頭一つ抜けています。
一方、古橋は、すべての指標で5人中3位以下となっており、ここ2年間の代表戦では目立った成績を残せていないことが分かります。大迫は毎試合1点のペースで得点を挙げていますが、守備や空中戦では、他の4選手を圧倒するほどの数値を出せていません。
ドイツやスペインといった強豪と戦う上で、守備に回る時間も多くなることが考えられますし、相手の出方次第で急なシステム変更が必要になることもありえます。不動のセンターフォワードを置くより、作戦にあった選手を配置していく方針なのかもしれません。
会見中の質問にもありましたが、登録枠が26人、交代枠が5人に増えたことで、ユーティリティープレイヤーよりも、スペシャリストを揃えた印象です。森保監督自身も「個性の強い選手たち」と表現していたように、何か突出した武器を持つ選手が選ばれたのではないでしょうか。
もちろん、選考には怪我の状況や他のポジションの選手との兼ね合い、経験値など、今回のデータ以外のさまざまな事柄が考慮されていると思いますので、上記はあくまでも一つの考察として捉えていただければ幸いです。
ProVisionでは、弊社が持つ詳細データのほとんどにアクセスでき、自分でオリジナルの指標を作ってレポート化したり、各プレーの映像を確認したりすることができます。興味のある方は、下記よりお問い合わせください。