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Stationery Diary Page13/ジャポニカ学習帳

 4月ということで年度初め、入学や進学の季節ですが、新たに学用品を買いそろえる方も多いシーズンということで、今回は、「ジャポニカ学習帳」についてお話をしていきたいと思います。

 学校で使うノートと言えば、真っ先に思い浮かべる方も多いかと思いますが、お花や昆虫などの写真が大きく載った表紙の印象が強いジャポニカ学習帳は、1947年(昭和22年)に高岡市で創業したショウワノートさんが製造販売しているロングセラー商品です。

 元々は「エリート学習帳」という別のノートを販売されていたのですが、学習帳としては最後発のメーカーであり、また、当時20社ほどが学習帳の製造販売で競合していて、「エリート学習帳」は大変苦戦していたそうです。そこで、その状況を打破すべく、1968 年に開発チームが立ち上げられ1970年に満を持して登場したのがこの「ジャポニカ学習帳」です。

 当時の学習帳の表紙はイラストが定番でしたが、昆虫や花の写真を採用したことも話題を呼びました。また、中ページには小学館から刊行されていた『ジャポニカ百科事典』とコラボレーションした学習百科を綴じ込んだことでさらに付加価値がつきました。裏表紙には、表紙写真の解説や学習図鑑を掲載し、中のノートの最初と最後には、学習百科がついているスタイルは画期的だったのではないでしょうか。

 さらに表紙のロゴを金箔押しにしたり、A5 判 30 枚のノートが 30 円だった時代に 50 円で発売するなど、高級感を打ち出すことで差別化を図りヒットにつながりました。

当初は版型も今より小さかったそうです。


 その後、環境破壊が世界的に深刻な問題として取り上げられるようになったこともあり、子供たちに「自然を大切にしよう」というメッセージを伝えるというコンセプトで1978年に「世界特写シリーズ」がスタートしました。

馴染み深いジャポニカ学習帳

 そして、その写真を長年撮り続けていらっしゃったのが昆虫・植物写真家の山口進さんでした。世界各地の珍しい昆虫や植物の写真を表紙と裏表紙のためだけに撮り下ろしており、販売累計冊数は約14億冊に上りました。 ただ、ニュースでも大きく報道されていたのでご存じの方も多いかと思いますが残念ながら、山口進さんは昨年の12月にご逝去されました。私も、小学生の頃は、山口さんが手掛けられた表紙のものを使っていましたので、ニュースを知ったときはなんだかとっても寂しい気持ちになりました。 

 さて、そんなジャポニカ学習帳ですが、現在は、定番の学習帳以外にも、宇宙をテーマとした「ジャポニカ学習帳 宇宙編」なども販売されています。そして、なんと!新シリーズとして3月20日に「富山の本気百科シリーズ」が登場しました。 

富山の本気百科シリーズ

 「富山の本気」というキャッチフレーズでSNSなどで話題の射水市の写真家・イナガキヤストさんが撮り下ろした写真が表紙となっていて、富山の四季折々の風景が楽しめるシリーズとなっています。例えば、桜、菜の花、チューリップと立山連峰のコントラストが色鮮やかな「あさひ舟川の春の四重奏」や呉羽丘陵から望む立山連峰が主役の「本気出しすぎた富山の空」など、美しい富山の風景を切り取った写真たちが表紙となっています。 
 
 また、「富山の本気百科」ということで中には、「立山連峰はどうしてこんなに高いの?」や「黒部峡谷トロッコ電車」など表紙の写真にちなんだ読み物や、富山をいろんな角度から解説した豆知識などが書かれていて、ノートを使うだけでなく読み物としても非常に読み応えがあって本当にワクワクが詰まった学習帳になっています。ぜひ、店頭でお気に入りの「富山の本気」をみつけてくださいね。

※「Stationery Diary」は下記ラジオ番組とリンクしています。
こちらもぜひお聴きください。

【番組詳細】
RADIO▶FMとやま「Stationery Diary」Produced by 文具の瀬戸
(毎月第1月曜「ヨリミチトソラ内、16:30よりON AIR)※radiko対応


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