減薬のコツ♪正しく成功に導く方法。

あなたの今飲んでいる薬、本当に必要ですか?

臨床現場に日々立つ私には、
「お薬を減らしたい」という
お悩みを持つ方がたくさんきます。


また一方で
何も考えずにただただ
「Drが出してくれてるから飲んでいる」と
おっしゃる方もいます。

その傾向は、ご高齢であればあるほど強く
薬の飲む意図を理解していない方がいます。

そういう場合、よくご家族の方から
「たくさん薬を飲んで大丈夫なのかしら・・・」

と心配して相談してくることもあります。


今回はそんな減薬悩みを解決する
一つのヒントになるお話をしたいと思います。





そもそもひとえに薬といっても目的により異なる。


たくさん薬を飲んでいるうちに、
「あれ?なぜこの薬、飲んでたんだっけ?」
と追加された理由を見失っている方は
案外多いと体感的に思います。


ですので、ひとまずは
出されているお薬を目的別を整理してみましょう。


☑️薬の使われる目的は大きく5つ

1、今必要な緊急性の高い薬
2、必要なときに必要な分だけ飲む薬
3、薬の副作用を軽減させるための薬
4、生活習慣病関係の薬
5、予後を良くするための薬


これらをそれぞれケース別に減薬可能かどうか?
可能な場合は、どういう場合かを考えていきましょう。



1、今必要な緊急性の高い薬

体調が急にすぐれず、今すぐにでも対処を要するような
緊急時の投与する薬です。

例えば

・嘔吐やめまい
・歯痛頭痛などの激しい痛み
・外傷出血や脱水など


飲まずにはいられない場合は
もちろん飲んで体調を治すのが先決!
指示通りに飲むことが重要となるタイプの薬たちです。


大抵の場合は、短期的な投与で終わるんですが、
中には漫然と投与され続けているケースも。


処方削除するのを忘れて知らず知らずに
長期的に処方されている例もしばしばあります。


故に、漫然と無目的に出されているパターンでは
処方削除をして減薬することができますね。



2、必要な時に必要な分だけ飲む薬


こちらも体調不良の場合に指示通り飲むタイプの薬ですが、
1と異なるのはその「緊急性」です。

・解熱剤
・抗生剤、抗ウイルス薬
・風邪薬など

多少放っておいても
命に影響を与えるほどの緊急性はないもの
に使われるタイプの薬と言えます。


多くの方は
風邪やインフルエンザは治れば飲まなくなるのですが、
特に風邪薬の場合は、
1、2週間だけをもらい、頓服やほぼ毎日のように飲んでいる方もいます。
薬効発現や有効性から考えても不利益なことが多いので
こう言うケースは不必要でしょう。


改めて服用意義とその有効性を考えてもらい、
代替案も提示しながら、減薬へと繋げていくパターンです。



3、薬の副作用を軽減させるための薬


薬には主作用と副作用がつきものです。
主作用だけに特化されて開発されてはいるものの・・・
副作用をゼロにはできないため、
少しでも副作用を抑える目的で併用する薬剤があります。

例えば

・痛み止めの胃障害抑制目的
・神経痛鎮静薬の吐き気止め目的
・抗がん剤の下痢止め目的
などなど。

少しでもQOLを維持向上させて
投薬中でも日常生活に支障を来さないように
する目的で使われる薬たちです。


この場合の減薬パターンは、
2つ。

1つ目は、副作用が生じなくなったら減薬する。
2つ目は、主病を改善する。


1つ目のパターンの場合
吐き気やめまいなどの副作用は身体が慣れるため
単体で投与しても生じなくなったら減薬をしましょう。



2つ目のパターンは、
根本が良くなるので薬自体が不要になります。
したがって自ずと
副作用軽減目的の薬も不要となります。


あらゆる症状は
このように根治を目指していき
最終的には減薬していくことが理想的です。



ただ、西洋医学的なアプローチだけでは
かなりそれは難しいため
漢方的アプローチを取り入れたいところです。



4、生活習慣病関係の薬


このカテゴリにハマるタイプの薬は

例えば、
・高血圧
・脂質異常症
・高尿酸血症
・糖尿病
・不眠症
・便秘症
・自律神経系薬
などなど。


普段の食生活や運動習慣、
プライベートの過ごし方や睡眠習慣などによって
必要となり飲んでいるケースがほとんどですから、
ライフスタイルを見直していけば、
投与不要にできる薬たちです。


最もシンプルですが
最も難しいところと言えるでしょう。

症状も無自覚なものも多いですし、
お酒やタバコ、趣味嗜好品にライフスタイルを
見直していく根気のいる作業が必要です。


ですが、医薬品を長期間続けなくても良くなるので
その健康とお財布へのメリットは計り知れないです。


健康と若さは失ってからでは、取り戻せず
かけがえのないものですから
多くの方にそこを気がついて行動に起こしてもらいたいです。



5、予後を良くするための薬


一度大病を患った方が該当します。
今後同じような再発をしないように
投与されるタイプの薬です。


例えば、
・脳卒中後の血栓対策
・膠原病など難病対策

二次的な再発抑制目的で投与されているため
勝手に中断するとよくないお薬です。


これらのケースの減薬については
あまりお勧めできません。

専門的な言い方になりますが、
「投与の有益性」を考慮し
飲まなかったケースと
飲み続けたケースでは後者の方がよい
とされていることが多いです。

なんでも減らす。
自己判断で中止する。
そうなると長い目で見たときに
かえって自分にとって不利益となりかねないですから
専門家と相談しながら考えていくことが大切です。





まとめ

減薬のコツを見てきました。

薬に頼らずに健康でいたいという願いは
誰しもが思うこと。

可能な限り薬には頼らずにいたいものですよね。

でも、体調がすぐれないときだったり、
辛い時は飲んでも大丈夫。

問題はそれが短期間で終わり
続かないようにするのが大事。


そもそも不要だったり、
理由もよくわからないまま
ダラダラ続いているケースは
可能な限り、減薬していくことが大切です。

反対に
とにかく減らしたいという思いで
自己判断で減らすとかえって悪くなる可能性もあります。

自分にとって必要性のある薬剤は
勝手にやめずに薬剤師に相談しましょう。

服用の必要性を理解した上で継続することが重要です。





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