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#17「靴挿入型ウェアラブル歩行ナビで、誰もが自分らしく活躍できる社会の実現を」株式会社Ashirase 代表取締役CEO 千野 歩さん

「Startup Now」では、資金調達を実施したばかりの起業家をお招きし、創業に賭ける想い、事業の現状や未来の話まで、アレコレお伺いするインタビューをお届けしています。このインタビュー記事は要約版となっております。気になった方はぜひFull VersionのPodcastもお聴きください!

第17回目は、株式会社Ashirase 代表取締役CEO 千野 歩さんをゲストにお招きしました。
株式会社Ashiraseは、Honda発のスタートアップ。靴に装着するだけで、足への振動により進む方向や道順を伝えるこのウェアラブルデバイス「Ashirase」を開発中であり、視覚障がい者の自立した歩行支援を目指しています。創業者であり代表取締役CEOの千野さんに、Ashirase設立の経緯や事業の展望についてお伺いしました。


創業に至った経緯


千野さんはもともとHonda社で自動運転や電気自動車の研究開発に携わるエンジニアでした。「安全」をキーワードに最先端の技術開発に従事する中で、家族に起こったショックな出来事をきっかけに視覚障がい者の歩行支援に興味を持ちます。

「妻の祖母が、視力の低下が原因で事故に遭い、大きなショックを受けました。Hondaでエンジニアをしていた私は、歩行も『モビリティ』の一種にも関わらず、そこにはテクノロジーが全く活用されていないことに気づき、できることがないか探し始めました。」

そこで、まずは視覚障害者協会への訪問するなど、視覚障がい者の方々とのコミュニケーションを通じ、課題解決に向けて動き始めます。

「自身の周囲には視覚障がい者がいなかったので、当事者の方々に訪問をし、お話を直接伺う中で課題の本質や必要なソリューションのあり方を模索していきました。」

Honda社で働きながらの準備期間を経て、Honda社の新しいスタートアップ支援プログラムを活用、2021年4月に株式会社Ashiraseを設立。「Ashirase」の開発にフルコミットすることになります。

Ashirase社の事業内容

「Ashirase」の特徴は、視覚障がい者の歩行時の情報処理の特性を深く研究し、聴覚や触覚への負担が少ない足の振動による情報伝達を採用している点です。足の甲や踵など6箇所に装置を配置し、振動のパターンや強弱によって直感的に方向や距離を伝えることができます。」

「視覚障がい者の方は、音声や触覚など様々な手がかりから情報を得ながら歩行されています。その中で必要以上に注意を引いてしまうと、かえって負担になってしまいます。Ashiraseは、他の情報の取得を阻害せず、ナビゲーションに特化した情報を足元に伝えることで、安全で快適な歩行を実現します。」

Ashiraseは2022年3月にクラウドファンディングによる先行販売を実施したところ、120名の視覚障がい者がデバイスを購入されました。この初期ユーザーからのフィードバックを元に継続的な改良を行い、同年11月時点には60〜70%の高い顧客満足度を達成。その後もアップデートを続け、直近では月次解約率0.3%まで到達しています。

「最初は思うようにいかないこともありましたが、ユーザーの声に真摯に耳を傾け、課題解決に向けて何度も改良を重ねてきました。おかげさまで、多くの方から『Ashiraseがあると安心して一人で外出できる』といった嬉しい声をいただいています。」

今後の展望

今後は、視覚障がい者マーケットでのグローバル展開を視野に入れつつ、他の障害や認知課題を持つ人々へのソリューションを拡大し提供していくことも構想されています。

「私たちのミッションは『歩行』を通じて一人でも多くの方に豊かな生活を提供することです。さらに今後は、聴覚障がい者や認知症の方など、情報処理に課題を抱える様々な方への対応も視野に入れています。また、インバウンド顧客をターゲットとした観光分野への活用など、『移動』に関わるあらゆる場面で人々の生活の質の向上に貢献したいと考えています。」

さらに、「Ashirase」の事業を通じて、視覚障がい者の社会参画の促進にも貢献したいと考えているとのこと。

「視覚障害者の方の中には、外出への不安から社会との接点が限られてしまう方も多くいらっしゃいます。「Ashirase」を通じて歩行の自由度が高まることで、就労やレジャーなど様々な社会活動への参加のハードルが下がるはずです。テクノロジーの力で、誰もが自分らしく活躍できる社会の実現を目指していきたいです。」

一緒に働く仲間を募集中!

Ashiraseのミッションは「社会課題の解決とビジネスの両立」です。

「社会課題に正面から向き合うことで、新しい市場を創造できると信じています。その上で、継続的にイノベーションを生み出し、社会に大きなインパクトを与え続けられる組織でありたいと思っています。Ashiraseには、そうした想いに共感してくれる仲間が集まってくれています。」

多様なバックグラウンドを持つメンバーがビジョンを共有し、新たな価値創造に挑戦し続ける。Honda発のスタートアップが、テクノロジーの力で"当たり前"を変えていく。そんな株式会社Ashiraseの挑戦に、今後も大きな注目が集まることでしょう。Ahirase社では現在一緒に働く仲間を募集しております。詳しくは概要欄をご覧ください!


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