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MVP作成の迷走を回避:必要最小限を明確にするポイント

プロダクト開発におけるMVP(Minimum Viable Product)を作成する際には、「必要最小限のプロダクトにすること」という原則があります。
MVPを作成する目的は、顧客の課題が存在し、提案されている解決策(ソリューション)が本当に必要とされているかを検証することです。しかし、実際にMVPを作ろうとすると、この「必要最小限」をどう定義するか悩ましく、多くのCEOがつまずくポイントとなっています。
頻繁に相談を受ける中で、具体的な事例を挙げながらこの問題に焦点を当ててみたいと思います。

MVPで陥る罠

雨をしのぐニーズを確認したかったはずなのに、ビルを作っていた

この検証ができればいいのに
(所要時間1-2週間)
ここまで作ってしまった
(所要時間3-6ヶ月)

なぜ、このような事態に陥ってしまうのでしょうか?

陥ってしまう理由と対策

真っ先に検証すべきリスクから取りかかっていない

上記ケースの場合、真っ先に検証すべきことは何でしょうか。
言いかえると、早い段階でわかっていないと、そもそも実現が困難であったり、今後大きくつまずいてしまうリスクを抱えたものは何でしょうか。

このケースでは、プロダクトを提供し顧客から対価をもらうビジネスモデルを描いているとします。
私であれば、1番知りたいことは、このソリューションに対して、狙ったアーリーアダプターはお金を払おうと思うのかということです。
今後どれだけ検証を進めても、お金が払われる可能性が低いのであればビジネスモデルが成立せず最終的な実現は困難です。
仮にビルまで作り上げた後に「確かにありがたいけど、移動しながら使いたいんです」「まあ濡れるのを我慢すれば何とかなるのでお金を払うほどではないです」と言われてしまうと、ここまでかけてきた時間やお金が無駄になってしまいます。

雨をしのげる何かを提供したときに人は対価を払おうと思うのかという検証をするために、必ずしもビルである必要はありません。
1番リスクがあることから検証するために最小効率でできることを選択しましょう。

ターゲット顧客と課題を絞れていない

課題インタビューなどで、顧客はさまざまなことをいいます。雨がしのげるだけでなく、風も防げるといいです、寒くないほうがよいですね、など。
このようなことを聞いていくと、あれもこれも入れないとこの人たちの課題は解決できないのではという気持ちになっていきます。

まずは、ターゲット顧客の中でも最初に使ってくれそうなアーリーアダプターを決めて絞りましょう。
「周りに建物もないところで1人で歩いていて突然の雨が降ってきたときに困る人」をアーリーアダプターと決めれば、検証すべき課題も絞れていきます。

顧客も課題を絞らないまま、雨も風も寒さも防げるものをいきなり作り上げようとすると時間だけが過ぎていきます。

不完全すぎる状態で出すのが怖い、恥ずかしい

これはめちゃくちゃ多いです(自戒も込めて)
世の中のプロダクトと比べてこんなショボいもので他人に見られるのが恥ずかしい、こんなものでは検証にならないのではと恐れて、手元でひたすら過剰に作り込んでしまうという現象が起きます。
でも、ひたすら作り込んだ後に実はダメだったとわかるほうがダメージが大きいはずです。

おすすめは、すごくショボい段階でよいので、多少融通が効く数名に試してみてもらうことです。絶対ショボいことに対するフィードバックは返ってきます。そこは今は気にせず、果たしてソリューションは課題を解決できているのか(解決できる兆しはあるのか)にフォーカスしましょう。

また、期間で制約をかけてしまうこともおすすめです。例えば3週間後には必ず誰かに見せると目標を立てて、約束を取り付けてしまいましょう。
そうすると、必然的に2週間で作れるもので真っ先に検証したいことだけ必死に考えるようになります。

いかがでしたか?現在MVPを作成中もしくは作成しようと思っている人は上記の罠に陥っていないか確認してみましょう!

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