投資契約の実務〜投資家からの要求事項:オブザーバーライト〜

【目的】
取締役の選任権と近いです。投資家が発行会社の事業進捗やコーポレートガバナンスの監視のために、経営会議等での議決権は持たない形で、経営会議等への出席を求める目的です。

発行会社側にとっては、取締役の選任権よりは軽い条件と言えます。

【記載例】
発行会社は、投資家の請求により、投資家が指名する者 1 名を発行会社 のオブザーバーとして扱うものとする。かかるオブザーバーは、発行会 社の取締役会等、経営上重要な会議に出席し、その意見を述べることが できる(ただし、かかるオブザーバーは議決権を有しない。)。ただし、 投資者は、オブザーバーの指名をしたことまたはしないことを理由とし ていかなる不利益も被らず、また発行会社および経営者に対しいかなる 責任も負わない。

【論点】
オブザーバーライトも取締役の選任権と同様に投資家と良いコミュニケーションが取れるかどうかで判断すれば良いと思います。しかしながら、大抵の場合は、リードだけではなく、フォロー投資家からも要求されますので、個別の投資家とのコミュニケーションだけではなく、外部株主全体とどのようにつきあっていくかも考量しなければなりません。

ポイントは、①シードやアーリーステージ(シリーズA直後とか)のタイミングで定期的な経営会議をしていない場合に、いかに対処していくか、②投資家が増えてきた時に、経営会議に投資家全員を招くのか、くらいでしょうか。

(ミドル・レイターステージになれば、KPIの進捗確認やIPO準備の過程で、定期的な経営会議が行われていくようになると思いますので、その場にオブザーバーを出席させれば良い話)

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