投資契約の条項〜Part 10 資金使途〜

【目的】
起業家側の非合理的な支出を回避するために本条項を投資家側が起業家側に強います。

【記載例】
発行会社は、本件株式の発行手取り金を、投資者に提出した事業計画及び当該事業計画を払込期日以降に合理的な理由に基づき変更した事業計画に従った目的に使用する。

【論点】
起業家側としては、この条項は可能な限り削除する方向で投資交渉を行なって下さい。
「事業計画に従った目的に資金を使います」と当たり前のように思えますが、裏を返せば、投資家に提出した事業計画が折り込めていない資金支出については投資家の承諾が必要になることを意味します。
普段から、投資家とのコミュニケーションが良く取れており、起業家の意図を投資家が理解してくれている状態になっているのであれば、事情が変わりますが、そこまで適切なコミュニケーションが取れているベンチャーも多くはないと思いますので、この条項はない方が好ましいと思います。

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