(総合系)医療機器商社のいろいろ 業務/営業

前回の続きです。
医療機器商社にも、総合系、専門特化系、SPD系と大きく分けて3種類あるという紹介をしました。

今回は、まずその中で総合系医療機器商社の日常業務と営業活動を紹介します。

【総合系/医療機器商社の仕事~日常業務~】
医療機器商社の日常の仕事とは、病院から商品の注文を受けて、それを納品するということです。
具体的には、
・病院から注文書を貰う。(FAXや紙の発注書を手渡し、システムからなど病院によります)
・貰った注文書通り、各メーカーに発注をする。
・メーカーから届いた商品を検品し、納品書を作成する。
・商品と納品書をもって病院に訪問し、病院の方に検品してもらい、納品する。
・月末には、1か月分の納品物の請求書を提出する。
といった具合です。
商社というよりも、似た意味合いですが、卸業者というイメージを持つほうが良いと思いあます。
商社といっても日常的にクリエイティブな提案、面談ができるかというとそうではなく、業務の8~9割がたはこういった受発注と納品作業ということになります。
日常業務では、病院の事務長、用度課(医療機器の発注を担当する部署)の担当者がメインの訪問先になり、ほぼ毎日顔を合わせます。

【総合系/医療機器商社の仕事~営業活動~】
残りの1~2割は、新規商材の営業活動になります。
病院内での営業活動ですが、医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士、事務方等様々です。
よくあるケースとしては…
病院に訪問した際、事務方から「○○病棟の師長さんが、こういう商品がないか相談を受けたから、今から行って対応してくれないか?」という依頼を受けるパターンです。
病院の事務方は病院で働いてはいますが、医療に精通し現場を熟知している人ばかりではないので、現場からの依頼に業者(医療機器商社)を手配します。
これは、どれだけ病院の事務方とコミュニケーションをとっているか、信頼してもらって任せてもらえるかどうかにかかっています。

そして、実際に○○病棟にいって師長さんの要望をヒアリングし、それにマッチする商品が何であるのかを会社に戻って調べ、カタログをもって再訪します。
その商品が良ければ、見積もりを提出し、発注してもらうという流れです。
医療器械は、医療機器として認定されているものだけでも10万種類以上あるといわれますので、多くの場合には一回会社に戻って知らべたり、メーカーに問合せたり等が必要になります。
これは営業活動の中でも受動的なパターンで、御用聞き営業の側面が強いものになりますが、こういった対応を丁寧にし続けることで病院からの信頼を獲得でき、能動的な営業活動にもポジティブに関係していきます。

能動的な営業では、「外来待ち」という言葉はよく聞くこともあるのではないでしょうか。
医師が外来診療を行っている際、受付のクラークさんに名刺を出し、先生に取り次いでもらったり、外来診療を終えて出てきた医師に声をかけ、商談につなげるという手法です。
場合によっては数時間待つこともありますし、せっかく声をかけられても「忙しいから又にして」といわれてしまうことも多いものです。
それでも、製薬メーカーのMR等多くの営業マンが使っている手法である理由は、「電話をかけてもアポイントが貰いにくい」「ほかにコンタクトをとる手法がない」などたくさんあります。
他には、電話で事前にアポイントを貰う手法だったり、関係性ができていればメールでアポイントを取ったり、すでに関係のできているメーカーに同席させてもらったりなどもあります。
病院によっては、院内での営業活動は制限されていますし、電話をしても取り次いでもらえないこともあります。

ある程度、関係性ができている相手であれば、もっと気軽に話を聞いてもらえるので、営業活動の初期にはどれだけ関係性を築けるのかがポイントになります。


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