(専門特化系)医療機器商社のいろいろ 業務/営業

前回に引き続き、専門特化系医療機器商社の日常業務や営業活動について紹介していきます。

【専門特化系/医療機器商社の仕事~日常業務~】
専門特化している医療機器商社では、オペの日程に合わせて使用するデバイスを準備し、病院に持ち込むことが日常の業務になります。
専門特化系の医療機器商社には、循環器、心臓血管外科、脳外科、整形外科といった科目に特化した商材を扱っています。
循環器内科では、PCI(冠動脈形成術)やカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)、心臓血管外科では、心臓ペースメーカー、脳外科ではコイル塞栓術(血管内治療)や頭蓋固定プレート、整形外科では、骨折治療プレートや人工骨頭、人工関節置換術用の手術器具などを主に取り扱います。
これらは、患者さんそれぞれ体格や血管走行、疾患部位が違いますので、それぞれの患者さんにあった治療法があります。
その治療法に対して、適切なデバイスを提案できるか、対応できるかが求められるという責任の大きい形態になります。
一例を上げますと、脳外科の場合には、脳動脈瘤のコイル塞栓術というものがあります。
脳動脈瘤は、脳の血管の一部に瘤(こぶ)ができてしまうものです。
そのままにしていると、その瘤は大きくなっていき、必然的にその血管の壁が薄くなっていきます。最終的には、血管の壁が破れ、くも膜下出血となります。
この脳動脈瘤を未然に防ぐ方法として、血管内カテーテルを使用したコイル塞栓術ですが、このコイルは非常に高額な医療機器です。
一回で数十万~百万といった金額になるので、病院に大量に在庫を置いていくことが難しいため、症例ごとに業者がコイルを持ち込み、使用した分を病院に請求するという方法がとられています。
この業者というのが、脳外科特化系の医療機器商社であり、症例に合わせて動かなければなりません。

【専門特化系/医療機器商社の仕事~営業活動~】
日常で、手術に対応する動きをとっており、手術に立ち会うことが多い専門特化系の医療機器商社では、他に比べて医師から頼られています。
手術に立ち会っている場合にも、手術中はもちろん、その前後も営業活動として医師と話をする機会が多くあります。
時間を確保してもらって商談をするというより、手術前後などで、「○〇先生!今度こういう商品がでまして、サンプル持ってくるので次回使ってみていただけませんか?」という感じで紹介します。
そうすると、「今回使ったあの商品、使いやすかったから次回も使いたいな」とか、「こういう患者さんには向いていると思うから、そういう症例の時にまたお願い」というような感想をいただけ、それが営業活動になります。

手術を行う医師にとっては、今より「安全にできる」、今より「早くできる」という部分にプライオリティを高く感じますので、今どんなデバイスを使っているか、どんなことにプライオリティを感じているかを把握し、自社で取り扱っている製品を使って貰うことが営業活動において重要なポイントになります。

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