クリニック開業時の打合せ

医師が患者さんを診察するときにどうやって診察するかをイメージしてください。
・主訴を聞く
・持病について聞く
・服用中の薬を聞く
・視覚、聴覚、触覚をつかって診察する
・場合によっては尿、血液、X線を使って検査する
・場合によっては家族構成や罹患歴を聞くこれらの情報をもとに判断していくかと思います。

なぜ、このような話を最初に持ってきたかというと、自分の事情、状況を話さずにピンポイントの開業や経営の相談を受けることが多いと思っているからです。

前情報がないままに、「自由診療を取り入れようと思うがどうか?」という質問には、正直「いいんじゃないですか?」と答えるよりありません。
例えば、「内科・循環器内科のクリニックをやっていて、客単価アップのために自由診療を取り入れようと思うがどうか?」と聞かれると、「(一般論として)健診、にんにく注射、インフルエンザワクチン接種などは他のクリニックでもよくやられていますが、1アンプルで複数本注射が可能な場合でのロスや、在庫リスクを抱えるということにもなるので、その点注意が必要です。」ということができます。
さらに、「地域周辺の住民をターゲットに、内科・循環器クリニックをやっていて、新患1割程度、再診9割程度で推移していて、患者層の8割は高齢者です。日に40名程度の外来数で、新患が1割程度で伸び悩んでおり、客単価を上げる自由診療を取り入れようと考えたが、どうか?」と聞かれると、「日に40名であれば新患獲得の余地はまだまだありそうだと思います。新患の獲得施策には、ホームページ、SNS、地域のフリーペーパー、バス広告など様々あります。競合クリニックとどう差別化できるかや、今一度ターゲットを整理して戦略を練ってみましょう」という回答をすることができます。

これが、助言、サポートする側には必要なのです。
診療で言う検査は、コンサル目線で言うと、患者満足度調査、どのエリアから来院しているか、何を見て来院しているか、年代、疾患などを調査すること。ほかにもホームページの閲覧数など多岐に渡ります。

コンサルの助言も、医師の診察と同じように100%原因がこれで、100%この薬を服用することで治る、ということは言えません。
知識や経験、他施設での事例の中から、一番原因の可能性のある点を見極め、最善と思われる対策を助言するということになります。

それには、必要な情報、どう考えてどうしたいのか、過去にどういうことをしたのか、それらをキチンと説明しないことには、最善手にはなりえないと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?