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いまそこをとおっている、という話。

人がポジティブになりたいと思うときはどんなときかというと、ネガティブなときだと思う。

嫌なこと悲しいことしんどいことがどんどん湧いてきて辛いとき。
この状態から脱したいと思って、ポジティブになろうとする。
んで、ツイッターとかに前向きなことを書こうとする。後ろ向きなのに。

これはしんどいよねえ。
39度熱があるのに元気です!って顔してるようなもんじゃないですか。
無理でしょ。余計疲れるでしょ。休もうよそのときは。


人の心はネガティブな時はポジティブに、ポジティブなときはネガティブに向かうようにできている気がする。平熱を保とうとする身体みたいに。

ネガティブなときをマイナスの状況だとすると、そこから能動的にプラスにもっていくのは燃費が悪い。温まってないエンジンで最高速度は出ない。

そういうときはしんどいけど、こころが元に戻ろうとするのをじっくり見ていくのがよいと思う。無理にポジティブなことを書くと今の自分とのギャップが明確になってもっとしんどい。

ポジティブシンキングはカロリーとはまた違うエネルギーを使う。ドラクエでいうとMPみたいな。使ったら減る。だから、使うところは考える。人生は長い。ずっとポジティブではいられない。時々回復もさせないと尽きる。そういうものだと思っている。

いま僕はこういうことを書いているので、比較的前向きな状態なのだと思う。この状態が長ければいいが、ずっとは続かない。いずれ後ろを向く時が来て、その時にこの文章を読んでも「そうはいっても今辛いんだよ」と思うかもしれない。その時は、今何が辛いかを書くんだ。人に見せてもいいが、まず自分だけが読めるところに書きなさい。ツイッターはダメだ。「ツイートした時点で文章が完成」してしまう。文章の完成とツイートは別物だ。完成したあとにツイートがある。ツイートの前に「名前をつけて保存」だ。できれば、完成したものを10分でもいいから時間を空けてもう一度読み、そのあとでツイートしなさい。
10分の間に、窓を開けて、コーヒーを淹れよう。夜中ならばホットミルクだ。読まなくていいから読みかけの本を1冊選んでおいで。本棚は整理されていたか?ビジネス書の横に伊坂幸太郎があったら嫌だよ。ちゃんと並べろ。3行くらい読んでみるか。いや、10分経ったか。


信じられないかもしれないが、今のその気持ちと、ポジティブな気持ちと、その真ん中を、僕は何度も往復している。何度も。ぐにゃぐにゃしたサーキットだ。坂道も砂利道もある。どのポイントにもいずれまた帰ってくる。

スピードを出すとき、カーブを曲がるとき、坂道を上るとき、砂利道を走るとき、ぜんぶ同じようにはできない。でもどの道もいずれまた通る。

さて、コーヒーを飲もう。

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