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退職に寄せて

ついに最終出勤を終えて帰ってきた。辞めると言ってから休まずに働けたのは、きっと終わりが見えていたからだと思う。いつまで続くかわからない、終わりの見えない中であの仕事をするのは精神的に辛かったけれど、終わりが見えた途端、意外となんでもないことのように思えた。

だから今考えるのは、もしかすると「辞める」という選択をしなくても、例えば自主的に終わりというか目処を立ててメリハリをつけて仕事をしていれば、精神的にそこまで辛くなかったのかもしれない。きっと気負いすぎていて、面白くない仕事をずっと続けることによって、人生までも面白くなくなるのだと、ある種の錯覚をしていたのかもしれない。

しかし、職場の雰囲気が自分に向いていないのは入社時点で明らかだったので、仮に今回辞めると言う選択をしなくても、そう遠くはない未来に辞めていたのだと思う。だからこのタイミングで辞めると決断したことに悔いはない。

でも、自席で社員証を首から外した瞬間や、上司との挨拶、執務室を出て行く際に振り返ったときの風景は、たぶん一生記憶に残るのだと思う。もう二度とこの場所に来ることはない、ここで仕事をすることはないんだと。物悲しい、寂しい瞬間だった。

とはいえ、他にも自分を必要としてくれる人たちがいて、自分自身ももっと興味のある仕事が待っている。だから前を向いて、ゆっくりでもいいから、自分のペースで、一歩ずつ進んでいこう。

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