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書籍『Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる』

ポール・ホーケン (著)  江守正多 (翻訳)  五頭美知 (翻訳)
出版社
山と渓谷社‏
発売日 2022/3/19
単行本 
416ページ




目次 ※拡大可能


内容紹介

 「すべての行動と決定の中心に生命をおく」世界中で急速に広まりつつあるリジェネレーション[再生]の動きを説明し、定義した初めての本。
 気候危機を防ぐために個人・団体ができる最も重要な行動と2030年にCO2排出量を50%削減するための78の解決策!

 世界的ベストセラー『ドローダウン』の完結編/環境ジャーナリスト、『不都合な真実』翻訳者・枝廣淳子氏推薦/国立環境研究所、IPCC評価報告書主執筆者・江守正多氏監訳

 世界中で急速に広まりつつあるリジェネレーション「再生」の動きを説明し、定義した初めての本。
 気候危機を防ぐために個人・団体ができる最も重要な行動と2030年に排出量を50%削減するための78の解決策を紹介します。

 気候危機に関する最も一般的な質問は、「私は何をすべきか?」というものです。
 どうすれば、個人や団体が、最短時間で、気候変動の緊急事態に最大の影響を与えることができるのか?
 ほとんどの人は何をしたらいいのかわからないし、できることは不十分だと思っているかもしれません。しかし、私たちはそうは思いません。
 気候変動を元に戻すための私たちのアプローチは、他の提案とは異なります。
 それは、「再生」という考え方に基づいています。


 再生とは、世界を生き返らせることだけではなく、私たち一人ひとりを生き返らせることでもあります。
 再生には意味と範囲があり、希望と優しさを表現し、想像力と創造性を伴います。それは、包括的で、魅力的で、寛大なものです。
そして、誰にでもできることなのです。

公式サイトより


レビュー

 自分たちのために、そして自分たちの後の世代のために、危機に瀕している動植物のために、何か自分に出来る行動を起こしたい。
 そう考えている人は、案外多いように思います。
 しかし「一体何からどのように手を付ければよいのか、どういった行為が良い結果を継続的にもたらすのかが、よくわからない……」という人も、案外多いのではないでしょうか。
 そのような人に最初の1冊としておすすめしたいのが、本書です。
 
 本書の一番の特徴は、問題となっていることの全体を、分かり易く、且つ丁寧に説明してくれている点にあります。ゆえに読者は読了後、「自分には何が出来て、何が出来ないのか」を、かなり明確に知ることが可能となっております。
 そうなればあとは、その出来ることについてさらに調べつつ、日々その出来ることを出来る範囲で実行してゆくのみとなるわけです。

 400頁に「どこから始めるかWhere to Start」という項目があり、その原則が分かり易く纏められているため、以下にまるまる1ページ分引用しておきます。
 もし御覧になり「なるほど!」と思った方は、是非本書をお手に取ってみてください。
 ※人生を豊かにしてくれる情報「満載」です

  気候のチェックリストは、単純な原則をもとにつくられています。農場から金融、都市、衣料、食料、草地に至るまで、幅広い取り組みを導いてくれます。そして、個人、家庭、グループ、企業、コミュニティ、都市、そして国まで、あらゆるレベルの活動に適用できます。ガイドラインは、「はい」か「いいえ」で答える質問です。すべての行動が、望ましい結果に向かうか、あるいはそこから遠ざかるかのどちらかです。1番目は、再生の基本原則です2番め以降は、その原則の結果です。
 
 1. その行動はより多くの生命を生み出すのか? それとも減らすのか?
 2. 未来を癒すのか? それとも未来を奪うのか?
 3. 人間のウェルビーイングを高めるのか? それとも損なうのか?
 4. 病気を防ぐのか? 病気から利益を得るのか?
 5. 生計手段を生み出すのか? それともなくすのか?
 6. 土地を回復させるのか? それとも劣化させるのか?
 7. 地球温暖化を進行させるのか? それとも減速させるのか?
 8. 人間のニーズを満たすものなのか? それとも人間の欲望を満たすものなのか?
 9. 貧困を減らすのか? それとも広げるのか?
 10. 基本的人権を擁護するのか? それとも否定するのか?
 11. 労働者に尊厳を与えるのか? それとも傷つけるのか?
 12. 端的に言って、その活動は資源を搾取するものなのか? それとも再生するものなのか?
 
 これらの原則をどう適用し、採点し、評価するかは、あなた次第です。
 私たちの行動はたいてい、すべての質問で「イエス」にはならないでしょう。しかし羅針盤のように、どの方向へ、何処に行くべきかを示してくれます。
 ガイドラインを採用することで、軸を決めてとりかかることができます。
 1つひとつの行動を、少しずつ、1歩ずつ。暮らしの中で再生リジェネレーションを生み出すのです。
 私は何を食べているのか? それはなぜ? 何を感じているのか? 私のコミュニティで何が起きているのか? 何を着ているのか? 何を買っているのか? 何をつくっているのか? 
といった具合です。

400頁より全文を引用

 

「ウェルビーイング」とはなにか


本書はカラー写真も豊富に記載されており、楽しく学べます

 ※拡大可能



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