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現代アートを楽しむ

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現代アートは、常識を覆すコンセプトを作品で表現しています。作品がどんなコンセプトで創られたのか、アーティストが作品に込めた思いは何かなど、アートの根幹に関わる記事をまとめます。
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2023年5月の記事一覧

ヒルズが建つ前の六本木を体験!岩崎貴宏さんの作品《雨の鏡》がかつての空地を再現。砂利、工事用バリケード、缶から外れ捨てられたプルタブ。そして水たまりに映るだけで実物が見えない東京タワーの幻影。 人々の記憶に残る風景、それは自由に未来を描くことのできた時代の風景!

代官山蔦屋さんとのコラボレーションで現代アートを紹介するショートムービーが登場

このコラムでは、『イノベーション創出を実現する「アート思考」の技術』のプロモーションを目的として、代官山蔦屋さんとのコラボレーションで作成した、現代アートを紹介するショートムービーについて書いています。 現代アートから学ぶ、ビジネスパーソンが持つべき3つの力 私は、多くのビジネスパーソンが直面するイノベーションの課題を解決するために、アート思考を提唱しています。このショートムービーでは、ビジネスパーソンが学ぶべきアーティストたちの3つの力―飛躍力(常識を覆す革新的なコンセ

アートの魔法:作品と思考が心の奥の魂を目覚めさせる

このコラムでは、若松英輔さんの日本経済新聞のコラムをもとに、アート作品の、鑑賞者の心の奥に眠っている魂を目覚めさせる力について考えてみます。 岡本太郎が経験したアートの力 岡本太郎の体験を紹介した若松英輔さんは、「真の芸術は私たちの心を揺さぶるだけでなく、心の奥に眠っている魂を目覚めさせる力を持っています」と述べています。 岡本太郎はフランスでセザンヌの作品に触れ、強い感動を覚えました。彼は美術館を後にしても涙が止まらず、涙を流しながらセーヌ河岸を歩きました。ピカソの作

茶筒が演じる宇宙時代の“重力のお土産”―京都市京セラ美術館「跳躍するつくり手たち」

京都市京セラ美術館で開催中の展覧会「跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」は、地球環境やテクノロジーの進化に対応して、新しい表現や価値観を生み出すアーティストやデザイナーたちの作品を紹介しています。 その中でも、非常にコンセプチュアルな作品が、「Newton’s Lid」です。茶筒がくるくる回転しているだけという単純な作品。しかしこの茶筒は、伝統技術を用いながらも、宇宙時代を想像させる仕掛けが施されています。茶筒が開くときには滑らかな