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インドって結局何なん

インドに移住してからそろそろ丸2年になる。
2年間でこの国について発見したこと、この国に住む人から学んだことは数えきれない。

1年目は自分のことでいっぱいいっぱいだったが、今はインドという国や人の特性も掴んできて、物事を俯瞰的に見れるようになった。

最初はなかなか刺激的だった街中にも見慣れて、ある程度のことには驚かなくなった。環境に鈍感になることで、自己防衛でもしてるんだろうか。

7月の土曜日、リキシャに乗ってカフェまで向かう。
高級車を運転する女性、排ガスの舞う中クラクションを鳴らすリキシャドライバー、ボロボロの自転車で走るおじいちゃん、車と車の間を縫うように周り、お金を乞う子供たち。

この国のことを語ろうとするとやっぱりここに回帰してしまうが、
インドはあり得ないほどの格差を抱えながら進んでいる。

ここでは見るべき階層、比べるべき人を間違ってはいけない場所だと思う。

下を見れば、どれだけでも下がいる。
逆に上を見れば、どれだけでも上もいる。

自分の心持ち次第で面白くもつまらなくもなる国だと思う。
結局どこにいても、自分が何を見て、どこを目指すか、なんだよな。


「インドは好きか、嫌いか。」
インド在住日本人と話していると、度々議論になる壮大な問いだ。

人は自分の置かれた環境にケチをつけたくなる。
未だに自分の周りにいる日本人でインド人、インドという国のことを嫌う人が多いことに驚く。
多分こういう人たちは自分より遥かに優秀でお金を稼ぐ力がある人のことが見えてない。自分の会社で雇うことのできる労働者のできなさに憂えているだけだ。


インド人は、「日本人は勤勉で真面目な人が多い」のように一言では決して形容できない。人口が多い故に性格やマインドセット、環境のレンジも恐ろしく幅広い。
だから1年や2年住んでも、この国のことが分かったようで、分からないのだ。


私はありがたいことに良い人と巡り合いがあり、インドは好きだ。特に人が好きだ。
まず、彼らは頭が良い。知能指数が高い頭が良いももちろんだが、知恵が働く。日本人と違ってずるができる。

テストですぐカンニングもしちゃうし、給与を上げるためならレジュメを偽装し、面接で大口を叩く。

そうやって彼らは競争社会を生き抜いてきた。
こういう正攻法以外でも戦える人たちが今後国際社会で活躍していくんだなと思う。

そして、エネルギーが尋常じゃない。
彼らは常に人と話し、エネルギーを放出している。
ここが、「うるさい」と日本人が嫌う点でもあるが、そもそも静かでなければいけない理由なんてない。
モチベーションも然りで、自分で自分を奮い立たせることができる人が多い印象がある。


そして、もう一つ。インドの好きな所は何かに挑戦するハードルが低いこと、
完璧を求められないこと。お互いに許し合う土壌があること。
リキシャの運転手なんて始めたばかりの人はその土地のことを知らなければ、地図さえ読めない人もいる。
レストランでオーダーを全然覚えられなくても、何回でもお客さんに聞ける。
自分もミスをすることへの恐怖がいつの間にか無くなっていた。

少しずつ輪郭が見えてきたインド。
3年目は俯瞰ばかりしていないで、自分でも何か始めるぞ。

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