見出し画像

インド1年記念

インドで暮らし始めて1年が経った。

この1年間思い通りにならないことがたくさんあった。

振り返ると、自分の負の感情と常に戦っていたような気がする。
これまでの人生何かと自分の思い通りに生きてこれて、自分の意思に反してどうにもならない状況というのを経験してこなかったが、こちらに来て、怒りや失望、嫉妬などの負の感情が体の中で沸騰するようなことがあった。悔しくて何回も泣いた。

インドでは生活の要所要所に壁が立ちはだかるので、もちろん生活に慣れるのは何かと大変だったけれど、それ以上にこの1年私が戦っていたのは「自分より恵まれた環境にいる人と比べてしまうこと」だった。

今、インドで会社員をしている。
働き方に関しては日本の会社より厳しくなく、残業もない。

私は今、現地採用としてインドで働いており、待遇はインド人と同じだが、営業という仕事をする上で社内や他の会社の駐在の方達と関わることが多い。また社内で日本人現地採用が初+1人ということもあり、インド人とも異なる状況の中、駐在の方との待遇の違いと生活からくるストレスが何かとしんどかった。

具体的には、送迎車なし、給与の違い、保険など健康面でのサポートや住宅、その他生活に必要な手当の違いなど。

周りに同じ感覚の人がいないこと、自分と異なる境遇の人の気持ちをわかってくれない人と関わっていると、自分が間違っているのかな?という気持ちになってしまう。

他の会社で自分の同じ境遇の人はたくさんいるものの、平日の大半の時間をこういった金銭感覚、趣味、年齢と何もかもが異なる人と過ごして、少しずつ消耗していった。

また金銭的余裕がないことにより、心にも余裕がなくなる。

日本にいると人との格差ってそんなに感じることはないけれど、ここにいると、待遇の差をまざまざと見せつけられて惨めな気持ちになった。


自分の失望とか嫉妬とか怒りの感情はすべてこの「人との比較」からきている。

他者との格差はインド人こそ日々感じていると思うんだけど、彼らは他人に嫉妬したり恨んだりはせず、自分の生まれた環境に満足して暮らしている、と側から見て思う。(実際どうなのかはわからないが)

私だって彼らに比べたら恵まれている。
比較する人を変えたら、そんな考えももちろんできる。それでもまだ他人への嫉妬心を止めることはできない。

尊敬する先輩から「その待遇の差を比べ始めるならもう仕事やめるべき」と言われたことがあるけれど、そんな割り切れるほどできた人間じゃないな、まだ。

こんなドロドロの負の感情を何度も感じてきた。
でも、この負の感情はエネルギーに変えることができるし、その反骨精神からのエネルギーが湧いてくる時は生を感じる。

自分にとって一番怖いのは感情がなくなり、本当に何もやる気がなくなってしまうことだ。

インドに来る前は、野望があって、良い趣味があって、他人のことを本当に思いやれる友達がたくさんいて本当に幸せだったけれど、全てがスムーズに進む現状に自分の感情が少しずつ無くなっていくのを感じてしまっていた。あと少しで感情が消えるところだった。

自らハードな環境で生活しようとインドに住むことを決めた。激しくも色々と濃いインド生活、日々メンタルを鍛えられる。
もう少し頑張ろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?