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【転職としての星野リゾートvol.4】 星野リゾートの組織文化

写真は界ポロト

星野リゾートの組織文化 - Flat & Mature culture- 

採用面接時の逆質問に、よくこんなことが挙げられる。
「どんな組織文化ですか?」
「組織として大事にしている価値観はなんですか?」
「星野リゾートを一言で表すとどんな会社ですか?」
これらは全て”関係性”にフォーカスした表現だろう。

自分がこれから働くかもしれない会社と自分自身がうまくマッチングしているかどうかを探りたいわけだ。

上記の質問に答えるならば、
星野リゾートは「FlatでMatureな組織です」と誰しも答えたくなる。
どういう意味か。採用サイトから引用しよう。

Flat & Mature culture
組織文化を築き、維持していくには様々な仕組みが必要です。星野リゾートの組織文化の根幹を支えるのは、誰もが年齢や性別、国籍等に関係なく発言し建設的に議論するメンバー一人ひとりのフラットな組織へのコミットメント(約束)です。同時に、ルールにのみ縛られるのではなく、自ら考えチームのために判断できるMature(大人)な組織であり続けたい。
そのためにメンバー一人ひとりがたゆまぬ努力を続けています。

さて、今回は2週にわたってこの内容をかいつまんでお届けする。(もちろん、私見込みで。)

組織文化とは戦略である

そもそも組織文化とは、企業が戦略的に根付かせたい思想・行動様式・価値観である。
つまり、星野リゾートはFlat & Mature cultureを”戦略的に選択"している。

このFlat & Mature cultureの最大のメリットは何か?
それは、「議論できること」である。
※議論するには差分が必要だ。差分については後日詳しく解説予定。

議論できることにより、新しいサービスが開発できる可能性が高まる。
どんなに優秀な企業であっても、永続的に同じサービスを提供し続けるには限界がある。
なぜならば、世情、市場、競合は常に変化するからだ。
世の中が変化するにもかかわらず、そこに取り込まれた1構成要素が変化し続けないということは、時流に取り残される可能性を多分に孕む。
つまり、常に未来の顧客ニーズに答え続ける必要がある。
答え続けるためには、対話や議論が必要であるし、組織文化としてそれを実行しやすいように仕掛けるのが定石だ。

さて、もう1点整理すべきことがある。
それは、Flatな組織というのは、なにも役職(ポジション)がフラットであるということではない。
ここを勘違いしていると痛い目に遭う。
確かに、一般的なホテル/旅館運営とは、総支配人や副総支配人以外の役職をほとんど聞かない。
一般企業にあるような課長、係長、主任といった聞き馴染みある役職がない場合もある。

むしろ学校現場に近いかもしれない。例えば、
校長=総支配人
副校長(教頭)=副総支配人
と言ったように。

上で痛い目に遭うと言ったのは、Flat=役職によるレイヤーと考えて働くと、目標設定を違えることにつながるからだ。

星野リゾートで働く場合、役職やアサインを目標とすると挑戦する機会に恵まれることが多い。そのくらいに社内の風通しは良い。
それは施設レベルでもそうだし、施設を跨いだ会社レベルでもそうだ。
さらに言えば、サービス業全体で言われている離職率も後押しする。
※サービス業界の離職率については、後日取り扱う。

つまり、何かになるということを目標にしている人は、達成した後の目標を見失うのだ。

ここまでの話を整理しよう。
星野リゾートがFlat & Mature cultureを戦略的に選択しているのは、なにも役職につくことを目標とすることからの離脱だけではない。FlatでMatureな組織文化があることで「サービスを創造」しやすくするためだ。

この個人またはチームのクリエイティビティを極限まで高めることで、企業を持続的に存続させる仕組みを担保しているのだ。

わかったようなわからなかったような話が続いたと思うが、
それは次週の投稿でまとめと整理を行いたい。
それではまた。

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