見出し画像

とある達人の備忘録12・少しずつ自分の軸を戻していくこと

ーアデプトになってから辛い思い出の方が多かったようだね。
逆に楽しい思い出はあったのかな?

「どう足掻いてもブラック企業にいた時間の方が長かったからな。
 数えるほどしかないと言っていいんじゃないか。

 ご飯の時、酒飲んでた時が楽しかったくらいじゃない?」

ー結局ブラック企業にどれくらい所属してたの?

「1年ちょうどだね。本当は2ヶ月目で辞めるつもりだったんだけど、
 何度か辞める交渉したけど辞めさせてもらえず

 延期に延期を重ね、ズルズルきた結果
 ちょうど1年という期間になったわけだ。」

ー「辞めさせてもらえなかった=頼られた」ということだろう。
それはそれで誇りになる、燃えるものもあるのでは?

「いやー全然嬉しくないね。会社っていうか
 刑務所に入れさせられたような感覚だったわ。

 初夢でヤツらにこき使われる夢を見た時はヤバかったね!
 夢の世界までにヤツらは出張してきてたんだぞ。

 人生で初めてだよ、初夢でうなされたのは。」

ー初夢の悪夢でうなされ、辞めたいという希望が通らず、よく心が折れなかったね。

「何度かエージェントに熱い想い(訳:頼むからオレを早くやめさせてくれよ!!)
 を伝えたのね。それが四度目でようやく通ったのかな。」

ーなぜそこまでかかったんだろう。

「ヤツら色々理由つけてきたのね。人が足らないとか、
 他の候補者が技術力不足しているだとかで。
 なんにつけても理由をつけられたのが一番だろうがー

 四度目でようやく観念したんだよ。

 この酷い状況で自分を見つめ直すってのが、自分のカルマなんだって。
 ようやく理解したんだ。自分のカルマを見つめ直さないと
 いくらあがいてもダメなんだってね。

 そのことをようやく意識レベルで理解したんだ。

 そこが理解できるようになってから、行動が変わったね。」

ー具体的には?

「これまで遅刻の常習者だったが、
 会社の出勤時間を変えて、誰よりも早く出社した。

 必要な人にしか連絡しないし頼らない。
 全力で会社で起きる出来事に向き合ってくのを決めたんだ。

 辞める時期は決まってるから、会社に集中するだけだった。」

ー変われば変わるもんなんだな。

「何度も同じ過ちを繰り返すわけにいかなかったからね。
 会社を辞めるまでの間に『自分を生きる』
 ことを取り戻すだけを考えていた。

 会社を辞めてからどうするか?
 なんて全く考えなかったね。

 とにかく後腐れないように日々を丁寧に過ごすだけだった。」

ーなんでも腑に落とすと成長速度は加速度的に上がるよな。

「日々を丁寧に過ごすってことを繰り返すと
 だんだんいらないモノが見えてきたんだ。

 例えば『友達だと思ってたモノ』が
 『実は友達じゃなかった』って気付けたりさ。

 目指してたゴールが実は『ちがう』って見えたり
 そういうのができたのが良かったと思うな。

 いつまでたってもまやかしを信じてるから
 『幸せ』になれなかったんだと思うよ。」

ーそれ、めっちゃ大事だよね。
 ブラック企業で悩む後輩たちにアドバイスをお願いします。

「『観念する』って一見ネガティブに考えがちだけど
 実は自分を見つめ直すって意味では
 まっとうなことだと思う。

 目の前の現実から目を逸らすより、もうあきらめて
 現実をひたすら見よう、っていうのが
 『強さ』につながるからね。

 オレは会社辞める2ヶ月前にようやくそこに行き着いたけど
 もっと早くできる人はできると思うよ。」

ーいやいや、思いついて行動できたのがベストタイミングだよ。
 真に自分を見つめることができるというのが
「強さ」の秘訣だね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?