僕の名前


「僕がそれを好きでいる」時間よりも
僕の方がずっと年上で

好きな色も好きな食べ物も
好きな歌も好きな人も
みんな好きだったものになって
そのうち思い出すこともしなくなるのかな


好きな人がいなくなってしまったら
きっと上手く呼吸もできないし
僕の心の底からゆっくりと崩れていくと思ってた


それなのに
明日も普通に生きているし
そのうちお腹も空いてくる

僕は自分の感情よりも
いずれ来るかもしれない幸せを優先する様な薄情な人間だったんだ


この身を焦がし滅ぼす様な
それ程までに人を愛せない僕なら
もういらないのに
それでも生きていく自己愛の醜悪さを僕と呼ぶ

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