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シャベルとキクのお話 その3

このお話は、しゃべるの大好きシャベル(S)と、聞くの大好きキク(K)が、気になったことを2人で気ままに話した記録です。2人がどういう人たちか、どこで話しているか、わからないことだらけ。早速覗いてみましょう。

シャベル(以下S) こんにちは、こんばんは、おはようございます!
キク(以下K) こんにちは。その挨拶、世界各地にいる人たちとオンラインで会話するときのやつね。誰を対象に話してるんだか。
S さっそくだけど今日は、とりかへばや物語について話そうと思う!
K 私の疑問には答えてくれないのね。ほう、とりかへばや物語、なんでまた?
S これは約1000年前に書かれたとされているのだけれど、なんというか、男の子の心を持った娘と女の子の心を持った息子を持つ当時の政界の偉いお父さんがいて、そのお父さんが、これもまた運命だと、娘を男の子として、息子を女の子として育てて、社会人として世に出ていかせているのよ。お父さんは、当時は男の子ならこうすべき、女の子ならこうすべきというのを当然知っていて悩むんだけれど、やっぱりその子たちの様子を見ると、その子たちの思うように生きさせてあげたい、と決断する。それが、物語のかなり序盤。その子たちのことを真正面から見ているんだな、と思わされた。
K ほぉー、それは素敵だ。パパ目線になっちゃう?
S 物語だから、娘は快活な美少年、息子は可憐な美少女として強調されているけれど、実際はどうであれ、彼らの気持ちを真正面から見ているお父さんの姿に、うるっときた。
K そのあとどうなるの?
S まだ読んでない。
K え?まだ読んでないのに、とりかへばや物語について話す、とか言ったの?
S ここからよ、話したいのは。読書感想文は、果たして最後まで読み終わらないとダメなのか、ということ。どう思う?
K うーん、当然読み終わってからと思ってたな。読み終わるまでは、話せないもんだとすら思ってた。
S そう!私もそう思ってたのよ。だけどさ、本を読んでいるときに、途中で感動するけれど、そのあとは惰性、みたいなことない?
K あるね。もう一度来るかなと思っても来ないことあるな。
S でしょ?そういうときに、仮に読み終わってなくても、その感動を話した方が、イキイキとした読書感想文になると思わない?
K うーん、確かに、最後まで読んでからとかしてると、そのときの感動って薄れていくね。
S あとさ、読み終わった本でも、後で覚えているのって結局そういう強く感動したところじゃない?記憶力が良くないからかもしれないけれど、私は数箇所鮮明な記憶が有ればいい方で、鮮明な記憶がない本もたくさんあるのよ、恥ずかしながら。そうだとすると、仮に序盤だとしても、これ感動した!という本のことを紹介したっていいじゃない。
K そうだね。なんだかまともなことを言われた気がして少し意外だけど、今回は納得だ。
S でしょー。そういうことで、とりかへばや物語はこれから続きを読もうと思うんだ。とりかへばや物語、中学高校のときに古典とか歴史での知識はあったけど、まさかこんなにビビッと来るとは思わなかったよ。
K そうだね、名著だからこそ1000年経っても名前が残ってるんだもんね。そういう名著にも手を出してみると、新しい発見があるかもしれないね。
S そうだよー、歎異抄も泣けるからおすすめだよ。師匠を信じる気持ちに心打たれてしまったよ。
K そういう読み方?!我々の話は1000年後残るのかな?
S サーバーのメモリ次第なんじゃない?活字の方が意外と残りやすそうな気がするな。
K データは意外と消えちゃうか。それもそれでいいね。
S さようなら。
K 最後突然だな。さようなら。

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