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シャベルとキクのお話 その12

このお話は、しゃべるの大好きシャベル(S)と、聴くの大好きキク(K)が、気になったことを2人で気ままに話した記録です。今日は、やりたいことについて。

シャベル(以下S) こんにちは。
キク(以下K) こんにちは。
S 結論は、やっぱりこのまま悩み続けつつ、少しずつ進めていって、今の仕事も得意なところを進んでやっていくということじゃないか。そして、悩みを抱えつつ生きていくしかないのでは。
K 待て待て。なんの結論や。
S おお、結論を急いでしまった。
K うん、そもそもテーマはなんだい?
S はっはっは、面白いね。
K なにがだよ!気になるから説明してくれ。
S やりたいことを見つけようとか、そのために転職するとか、あるじゃない。
K あるね。
S ただ、やりたいことってなんだろうって思わない?
K 思う。昨日やりたかったことが今日もやりたいわけじゃないというか。せっかく見つけたやりたいことも、時間と共に変わっちゃう。
S 希望に燃えてさ、その仕事に飛び込むわけじゃない。少しずつ、その希望とかが変わるよね。
K やってみたら意外とこんなのが好きだった、こんなのは嫌いだった、とわかるね。
S そうそう。それはしょうがないとして、次に考えるじゃん。やっぱりこれがやりたいって。で、転職したら、そういうやりたいことが本当にできるのかな?
K それは分からないね。やっぱりもがくしかない、つまり、やりたいことをやるためには努力するしかないのでは?
S やりたいことって、難しいね。
K 終わり?
S 違う!終わりじゃない。やりたいこととか情熱ってさ、なんか綺麗になってて、すごいものになってると思うんだ。
K どういうこと?
S つまり、やりたいことがある、と言える人が限られてて、3度の飯よりこれが好き、みたいな打ち込みができていないと、それはやりたいことがあるとは言えない、みたいな。ちょっとでも疑いを持ったり、代わりにご飯を食べちゃったり寝ちゃったりしたら、はいそれはやりたいことではありません、みたいな追い込みを、自分に課しているというか。
K あー、ハードルを上げすぎて、誰も満たせないって?
S そう。実際、ウン十年間生きてきて、やりたいことってある?ご飯を忘れるようなさ。
K ご飯は忘れないでしょ。
S そう!ご飯は忘れない。だからさ、そういう感じの自分に接して、あー俺ってやりたいことないのかなー、全身全霊打ち込めるような、見つからないかなー、みたいなウジウジをするわけよ、私は。
K シャベルはウジウジしてそうやな。
S してるよ。ウジってしてる。じゃあさ、今日を振り返ってみよう。今日なにしてた?私は
K (あ、俺に聞いたわけじゃないんだ)
S 私は仕事してたけど、その前にはLGBTQのボランティアのメールを返してて、仕事の休憩を使って子どもを迎えに行って、仕事終わった後は家族でご飯食べて子どもを寝かしつけて、そしてごろごろしながら金田一耕助シリーズ読んでた。これって全部やりたいこと?それともやりたくないこと?どっち?
K 俺に訊かれても…やりたくてやったの?
S そう!そうなの!やりたくてやったことなの。
K 自分では気付いてないだけで?
S そう!そうなの!やりたくてやったことなの!
K (壊れとるな。同じ反応やん。)じゃあよかったね。
S そう!いいんだよ、もっと褒めてあげたい、自分を。3度の飯を忘れなくたって、ちゃんとやりたいことやってるんだよ、自分は、と。
K そうねー、自分のことって厳しくみたり、後回しにしたりしがちだよね。自分中心なのにね。
S そうそう!いいこと言うねー、キク!
K 褒められたよ。
S そんなことでやりたいことやったと言えるのかな、と思っちゃうけど、現実はフィクションみたいに派手じゃないじゃん。地味なことの繰り返し。でもさ、その中でも、自分が好きだからやってることってあるはず。ご飯なに食べるとか、どの服着るとかでも。そこに注目してあげて、ああ自分やりたいことやってるな、と。そこからは少しずつでいいんだよ。これちょっとやってみようでいいからやってみて、それで気づけばいろんなことをしてるかも。
K 段々難しいな。まあ、やりたいことってなにかな、と悩んでいる人には、まずは目の前の自分のことを見てあげてね、ということ?
S そうだね。そんなのに当てはまらない人にはなに言ってんだという話だけど、私はたまに、自分ってちっぽけでやりたいことに全力なのかなとか思っちゃうから、まず何をしているかを数えてみると、気持ちがすっきりすることがあるから、それをここで吐き出してみました。
K それもやりたいこと?
S まさに!
K じゃあさようなら。
S さようなら。

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