中山競馬場でそっと思い出に耽った話

最近、夫と2人で毎週末のように千葉へ行っている。その中でたまたま近くまで来たから、中山競馬場へ寄った。

カッポカッポと響く足音、大きくて柔らかい穴から吐き出される独特の鼻息、真っ白い泡になって足の間に広がる汗、ボロの臭い、どれも愛おしい。馬の背から10年近く離れても、私は彼らが恋しくて仕方ない。

パドックでの馬の見方としてよく言われてることや馬券の買い方をレクチャーしながら1レースだけ賭けて帰ることにした。(夫も私も負けた)


中山競馬場に来たのは4年ぶりだった。4年前は、競馬が目的じゃなかった。好きなジョッキーに、花を捧げるためだった。

いつか、もしかしたらのいつか。抽選か何かで当たって、ゴール板の前で、走り終わったばかりの彼に、おめでとうございますと震えた声で言いながら花束を渡す日をうっすら夢想していた。4年前、それは絶対に叶わない、純度100%の夢になってしまった。

彼が救われるには、彼が選んだ道しかなかったのかもしれない。彼を否定したくない。だけど、悔しくて仕方ない私の思いも、どうか否定しないで欲しい。

夫と中山競馬場に行くことで、そこに染み付いてしまった悲しい思い出を上書きできるかなと思っていたが、そういうことではなかったらしい。楽しい思い出は別名で保存されて、あの時感じた悲しさも悔しさも消えない。消えないよゴッティ。


twitterの人に「ブログでやれ」って言われないようにアカウント作りました。違うブログで台湾旅行や入院や手術に関してお役立ち情報書いてます。よかったら見てください。 http://www.ribbons-and-laces-and-sweet-pretty-faces.site