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悔やんで前へ

とある仕事でいろんな意見を募る必要が出たので、元いた部署で一緒に仕事していた人たちへメールを送った。
元いた部署は私にとって、率直に言うと地獄だった。仕事と分不相応な重責が絶え間なく身の上に降り続けて押しつぶされる寸前だった。異動直前のあのころ、もし病院に行っていたら、なんらかの診断がついていただろうと思う。
そんな部署で一緒に働いたメンバーへメールを送るのは多少気が引けたが、使えるものは使う。図々しいから。

メールを送ってから一時間もしないうちにほぼ全員からの返信が揃った。一年以上話してもいない人たちだし、無視されても仕方ないと思っていただけに、レスの速さに少し驚いた。
中身を読んでますます驚いた。みんなそれはもう丁寧に、詳細に、聞きたかったことを教えてくれる。全員のメールの最後に『ほかにも何かあればいつでも連絡して』と添えられていた。

目の中が熱くなるのを感じた。何をしていたんだろうなあのころの私は。次々と持ち込まれる仕事や相談ごとと、必死になって闘って。いつの間にか、仕事も、相談ごとも、持ち込む相手すら、何もかも倒すべき敵として対峙していた。

助けてって言えばよかった。困ってますって。教えてって言えばよかった。そうしたら、きっと今もらったこれらのメールみたいに、誰かがちゃんと応えてくれた。仕事は倒すんじゃなくて成し遂げるものだったし、相談ごとは倒しても行き先がわからなくなるだけだった。そして、目の前に立つ人は隣に並ぶべき味方だった。敵じゃなかった。敵なんかいなかった。

当時のことを思い出すと自分の下手くそっぷりをしみじみ感じて、あのころ周りにいた人たちへの申し訳なさと後悔の気持ちばかりが胸に広がる。それでも私は今も働いていて、仕事も重責も相談ごとも続いている。

続くのだ。後悔を糧に変えて。前へ。

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