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片がついて肩の荷が下りた
先日、叔母からLINEが届いた。
『今日、車を引き取りました。最初は緊張しましたが、すぐスムーズに運転できるようになりました。ありがとう。大切に使います』
・・・
叔母が引き取ってくれた車は父親の遺したものだった。車も遺産になるので父親の名義からそのまま叔母へ名義を変えることができなくて、かと言って私の名義にするためには車を100km以上移動させる必要があって、さらに売却が決まった実家にいつまでも車を置いておくわけにもいかず、どこに移動させるにしてもまずはあがってしまった車のバッテリーをどうにかするところから始めなくちゃで……と、書いて思い出すだけでも気が遠くなるような、いくつものハードルを越えなくてはいけない手続きだった。
使えるSNSをすべて使い、いろんな人に教えを請い、助けを求め(マロコさんその節はありがとうございました)、どうにか小中の同窓生の繋がりで実家の近くの車屋さんを紹介してもらうことができて、叔母の準備が整うまで車を保管しておく手筈が整った。
それからおよそ半年。叔母がもともと保有していた車の下取りやらなんやらがようやっと終わったと連絡があり、数日後には実家の近くに保管していた車を叔母自ら30キロほど離れた叔母の家まで運転して運んでくれて、冒頭のメッセージが届いた。
父親が亡くなった後、実家は売りに出して早々に買い手が付き、株式などの金銭も弟と揉めることなくスルスルと分け合う手続きが済むなかで、最後まで行き所が定まらずにいたのが車だった。車に関して、私はもう素人中の素人で、最初から最後まで全部人任せになってしまった。そんな『分からないことが分からない』状態だったところから、一番良いと思える形に着地できた。本当に、周りの人に恵まれている。
叔母から引き取ったというメッセージを読んだ瞬間は体中の力が抜けた。車以外のことはすべて終わっていたし、車のことだって目途がついた状態だったのであまり気にしていないつもりでいたが、実はそうじゃなかったらしい。会社からの帰り道、暗い夜空を見上げて心の底から安堵する自分がいた。あぁ、終わった。これで全部終わった。ちゃんとできた。すごいがんばった。本当にがんばったな。全部ちゃんとやったよ、お父さん。
翌日は自分へのねぎらいで焼き肉を食べました。
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