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滴り

自分の器が空になってはいけない

空っぽにならないように目を凝らしながら分け与える。

満杯になって溢れそうになったときに、それでも注がれて溢れた分だけを分け与えることができたらよかったのにね。理想でしかないのだけれど。

一滴も分け与えないことだってできる。でも分け与えないと生きていけない。そうすれば自分が空っぽだって気が付かなくて済むから。

でも空にはなってはい。空っぽになったら刹那、わたしがわたしでは無くなってしまいそうで、消えてしまいそうで只ひたすら怖い。

もし、わたしの器が寂しくなってきて、その器を逆さまにして滴り落ちてきたその一滴でさえも与えたいと思うなら、それが愛なのかもしれない。

その一滴で枯れることができるのなら、なんてわたしは幸せだろうか。