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115回医師国家試験受験を終えてのMedu4感想


医師国家試験を受けるにあたって、一番不安だったのが自分の取っている予備校の講座や演習量が十分なのか、ということでした。
特に今年は新型コロナウイルス流行の影響で勉強会などもできず、周りの足並みが見えなかったのも不安の一因でした。
そんなわけで、自分が5年・6年・直前期にどんな勉強をしていたか備忘録を書き留めておこうと思います。人により適切な勉強量に差はあると思いますが、参考になれば幸いです。
この記事では自分がメイン教材で使用したMedu4の講座について記載しています。一個人が勝手に書いている記事なので本記事に関してMedu4に問い合わせることなどはお控えください。


■受講した講座

それぞれの講座の説明についてはMedu4サイトのこちらを参照ください。

〈5年購入〉
あたらしい内科外科2018
あたらしいマイナー2019
あたらしい産小老2018
あたらしい救麻公2019

〈6年7月購入〉

テストゼミ基礎編
テストゼミ標準編
テストゼミ発展編
テストゼミ予習編

〈6年12月購入〉

特講シリーズ
回数別講座4年分
Update 113回
Update114回

〈6年1月購入〉

国試究極MAP

■それぞれの講座について

基本的には、Medu4公式サイトのスケジュールに沿って受講を進めていました。

①あたらしいシリーズ

一番大切なことは、すべての疑問点において最初に参照するものをこのテキストにすることだと思います。
あたらしいシリーズはMedu4におけるベーステキストです。予備校によっては診療科ごとのテキストが複数あるらしいですが、Medu4では国試のために覚えるべき事項はすべてこのあたらしいシリーズに集約されています。
自分は結局卒業試験やらマッチングやらで、あたらしいシリーズの2周目はできず、問題演習も講義中に行った練習問題が主になってしまいました。しかし、勉強中どんな事でもとりあえずあたらしいシリーズで確認→もし載っていなかったらYearnoteや病みえを参照するようにしたことで、効果が2つありました。

①何度もテキストを開くことで、「復習」をしなくても自然とテキストの内  容が記憶されていった
②その知識が国試レベルなのか、今必ず知っておくべき知識なのかが分かり、メリハリがついた。
(Medu4テキストに載っていなければ、国試に出たことがないor今後出る可能性が少ないということなので)

復習が嫌いかつ知らない知識を深追いしがちな自分にとって、あたらしいシリーズはとてもマッチした講座だったと思います。

一方で、マイナスポイントとしては、載っていない知識があることへの漠然とした不安感がありました。Medu4では余分な知識は極限までそぎ落とされているので、他の予備校を使っている友人と話しているときに、当たり前のように知らない知識を言われめちゃくちゃ不安になる、ということが直前期よくありました。なるべく必要な知識を全部知っておきたい!というタイプの人には、あまり合わないのかもしれません。しかし、国試に受かるための知識は全て載っているので、知識不足のデメリットはありません(むしろ効率よく重要点を学べる)。肝心なのはこの不安感を如何に払拭するか、というメンタル面の問題かと思います。

ちなみに毎年あたらしいバージョンが出ますが、早いタイミングで購入して延長しても問題なかったです。ただし、ガイドラインの改訂や新出問題については、Updateの受講やフォーラム等をチェックして随時書き込みは必要。それでも6年生になってから新年度版を受けなおすよりは、5年生のうちからコツコツ勉強しておいたほうがいいと思いました。特に、穴埋めの暗記とあたらしいシリーズに掲載されている問題の演習は、やればやるほど効果があるので、できるだけやったほうがいいです。自分は穴埋めもほぼできておらず、問題演習も講義中のみで2周目をしなかったので、国試の前日までそのことが胸にひっかかっており、メンタル的にしんどかったです。

実習が始まった当初はまわる診療科に合わせて該当科目を受けようとしていましたが、18時に実習が終わった日に勉強する気力があるはずもなく、まばらな受講状況になってしまいました。結局5年生の4月から購入していたにも関わらず、すべてのあたらしいシリーズを受け終わったのは6年の9月でした。そのため、8月の夏メックは悲惨な結果に。

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必修では大幅に8割を切っており、総論各論もいわゆる「平熱」レベルの偏差値でした。先輩からは「平熱あれば国試は受かる!」と聞いていましたが、不安なものは不安でした。


9月にあたらしいシリーズを受け終わり、
10月はまるまる卒業試験でつぶれ、
11月の前半は秋休みを堪能し、11月後半から本格的に直前期の勉強が始まりました。

11月後半はテストゼミ基礎編と模試(夏メック、テコ3)の復習をメインに行いました。


②テストゼミ

テストゼミは基礎編、標準編、融合編、予想編の4つに分かれています。
自分は結局、基礎編のメジャーのみを11月に受講し、融合編と予想編を1月に1日1回分演習しました。直前期になってくると、回数別ばかり解いていて真新しい問題に触れる機会が減るので、テストゼミは受講してよかったと思います。また、115回は新型コロナウイルスの問題が出るのかどうかが不安だったので、予想編でそこをカバーしてもらえたのも良かったです。予想編と融合編に関しては、演習セットを利用してもう一回ずつ解きなおしました。

③特講シリーズ

特講シリーズは輸液、酸塩基、抗菌薬、栄養、判断・評価、必修、禁忌、計算問題、症候論、裏技・テクニックの全10講座で成り立っています。
私は症候論のみPost-CC OSCE前に受講し、残りの講座は12月に受けました。どれも全部おすすめですが、理解の浅かった輸液や抗菌薬の講座は卒業後も活かされると感じました。また、必修講座で身体診察や必修らしい「お気持ち問題」などもカバーでき、禁忌講座は目次で禁忌一覧が確認できるので試験前日にも確認しました。直前期にもう一度復習したのは、抗菌薬、輸液、栄養、計算問題、禁忌、必修の6講座です。特に今年は計算問題が多かったので、計算特講を復習しておいて本当に良かったです。

12月の始めに冬メックを受けました。この時は卒業試験の勉強と夏メックの復習の甲斐もあり、なんとか合格圏内に入ることができました。

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冬メック後は、Update113、114を受け、回数別&特講シリーズをメインに勉強していました。

④Updateシリーズ

あたらしいシリーズを早めの段階で受講した人向けの講座です。冬メックをUpdateが結構カバーしていたので、先に受ければ良かった…と思いました。前回、前々回の国家試験で出た新規の知識について、適度な量の知識を補完してもらえます。

⑤回数別講座

Medu4では4年分がセットで販売されているので、とりあえずセットで買って114回→113回→112回→111回の順で12月中に受け終わることを目標に受講しました。結局そのあとの回数別の演習では3年分しかやらなかったので、111回はオプションでいい気もします。QBやMedu4の演習機能でも解くことができますが、一問ごとに解答が表示されてしまうので、本番の時間感覚や問題のバランスを体感するために、1ブロックずつまとめて解くことをおすすめします。


年も明け、本格的に直前期の勉強に。この頃になってくると、やりたいことが多すぎてもはや何をしたらいいか分からなくなりました。あたらしいシリーズを総さらいしたいけど、回数別もやりこみたいし、模試の復習もしないとだし、ていうか自分、QBの1周目問題すら解いてない・・・。

そんなときに出てきた救世主、Medu4の目玉である国試究極MAPです。

⑥国試究極MAP

1月1日10時に販売され、国試の最終日に販売終了する直前期に特化した講座。講座そのものの説明や、おすすめの受講方法はいろいろな方が説明されているので割愛します。自分は結局1月1日~8日で1周目(この時に診療科ごとに合わせて回数別3年分を臓器別に演習)、15日~23日で2周目、24日~31日で3周目し、2月1日~5日で覚えてない部分の暗記シートをしました。だいたい毎日1~3時間を国試究極MAPに使いました。100%の暗記はかないませんでしたが、多発性骨髄腫と多発性硬化症、PNHとAIHA、MDSとPMFなど個人的に混線しやすかった知識を場所で視覚的に整理することができたのが、一番大きな収穫でした。他の作業中にBGMで聞いていたとか、6周したとか、Ankiに入れて周回したとかいろいろTwitterで見かけましたが、本当にこれを3周するだけで効果があると思います。逆に国試究極MAPだけで国試に受かるなら100%覚えないと無理です。

■最後に

もともと自分がMedu4を選んだのは、一人の講師から全部学びたいという理由でした。これにより授業内容の重複や先生によって解き方のアプローチが変わるといった大学の講義のデメリットをカバーすることができました。

2年間Medu4にお世話になって感じた、Medu4の良かった点・不安だった点を最後にまとめておこうと思います。

良かった点
・講師が一人なので知識の整理が楽、どの講座を取っても統率が取れている。
・テキストがpdfなので検索や編集に強い(最終的に読み返したいページだけ集約した究極のあたらしいシリーズを自分で作ったりしました)
・公式サイトのフォーラムで他の医学生や医師に質問できる。直前期だと穂澄先生からも返信がもらえる。
・問題演習と講座がリンクされているので、演習での復習がしやすい。
・自分が感じた疑問はだいたいフォーラムで質問されているので、問題解決が早い(例:どうして腎性尿崩症にサイアザイド系利尿薬使っていいの?とか)
不安だった点
・掲載されている知識が最低限
前述の通り、他の予備校と比較したときに精神的にしんどいことがある。
例)模試で初見の知識について友人と話したら、他の予備校生にとっては当たり前の知識だった、など。
ただ、はっきり言えるのは暗記できる限界なんて限られているので、重要性の高い順に頭に入れていくということにおいてMedu4は強いというだと思います。
・Medu4アプリの動作が不安定
今年の冬頃から本格的にリリースされたMedu4アプリですが、発展途上な面もあり、フリーズしたり.netとの連携がうまくいかなかったりしました。一方でダークモードなど他社にはない演習機能が充実しているので、こちらで演習してよかったとも思います。私は文字が小さくて携帯にいれても問題演習に使えないと思ったので、iPadにダウンロードしました(現在iPadはサポート対象外)。今後.netでも問題演習機能が搭載されるか、端末制限1台が緩和されれば、使い勝手がよくなるのではないかと思います。


結局、一言でまとめると、


Medu4にしてよかった!!!!


以上です。


最後に、ここまで私を導いてくださった穂澄先生とMedu4の皆様に感謝申し上げます。本当にお世話になりました。

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