ある夏の日

お題があるのは面白いですね。

まだ自分が葛飾の実家にいた頃のお話です。

かれこれ15年程前で当時私は16歳なりたてくらいで
その日は中学の同級生四人が
私の家に来ていてゲームをしたり
テレビを見たりしょうもない話題で盛り上がったり
そんないつもの日でした。

夜の11時過ぎた辺りでみんなが飽きてきた
ところでIくんがある提案をしました。
「花火やらないか?」
花火なんて用意してないし時間も遅いから
迷惑だよ。最悪通報されるよ。
と、返すと
「花火はここにある。騒がなければ問題はない!」
と、カバン一杯の花火を見せながら
力強く反論。
が、周りは乗らず、結果解散の流れに。

そのまま解散したらよかったのに。
当時、私の家はエアコンをあまり使わない家庭
でした。
なので昼も夜も窓を開けて扇風機をつけて
暑さをしのいでいました。

さて、解散の流れになり
いよいよ帰る準備を各々が始めた際に事件は
起きました。
導火線が燃える音と匂いが…
「「ぴゅーーん」」
静かな夜だと大きな音がより響きますよね。
Iくんがカバンに入れてた笛ロケット発射の音でした。
発射されたロケットが壁にぶつかり
爆発まで鳴るぴゅーーんという音。
そして爆発音。

爆発までの様々な悲鳴や奇声
全開の窓に夜11時過ぎという状況。
というか住宅街ですし
実家ですし…

事件の犯人はIくん。
犯行動機はチキンハートで有名なNくんに対し
花火に火をつけちゃうぞーと脅かしてたら
マジで火がついたとの事。

迷惑かけまくった事実により
泣きまくる友人達を優しく家に帰し
その後生まれて初めて誰かの為に頭を下げて
掃除洗濯が私の日常になりました。

しょうもない出来事でしたが
この思い出が一つ大人に近づけたと
今は思ってます。

そんなクレイジーなIくんは
今は私の部下として働いています。
いじめたりはしませんが最近彼がやたらと
「花火を…花火の撃ち合いやらない!?」
と、バイトに話しかけているのが
少し恐ろしい。
そんな夏の日。

#夏の思い出

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