社内ベンチャー・新規事業がうまくいかない7つの要因

M&Aした会社に新規事業立ち上げのため出向(その後転籍)。その後起業して複数の会社のお手伝いや、自社サービス立ち上げの過程で、いろんなスタートアップを見てきました。

そんな中で「社内ベンチャーや新規事業がうまくいかないことは共通していることがある」と私が感じた7つの要因。

①エース級の投入が難しい

立ち上げ期は特に人的リソースを社内に頼るのですが、売上が見えない新規事業にエース級人材を投入は困難。特に放出する側のマネージャーが嫌がる。(特に追加人員の場合、活躍してない人が送られるケースもままある)

うまくいくスタートアップはそもそも優秀な人たちで立ち上げ、伸ばすのでその時点で差がついている。


②ピボットできない/しない

社内ベンチャーの場合、「これをやる」というサービスを決めてから会社設立するため、うまくいかない場合のピボット(方向転換)が難しい。うまくいかないままだらだら続けて会社をつぶす、ということが多いのでは。

スタートアップはピボットを繰り返してサービスを磨きあげている。


③最終承認者が現場を知らない

子会社社長や責任者が現場も出ているが、往々にして最終的な意思決定者は本社の役員クラスだったりする。そのため、稟議、報告書や会議などオペレーションコストがかかってしまう。


④すぐに大きな利益を求める

特に大きな企業の場合、次の柱として新規事業を作ることが多いが、今の事業と比較して売上・利益を比較しがち。また上場企業の場合、子会社は連結決算に反映されるため、早めに利益(黒字)を求められるケースが多い。

そうするとコストを抑えることになり、攻めが難しくなる。VCなどから調達をしているスタートアップと比較してどうしても動きが重くなりがち。


⑤意思決定者が複数のため新しいことができない

99%の人がNoというぶっとんだアイデアは承認されにくい。仮説検証してみよう、という前に潰される。※イノベーションのジレンマの通り

そのため社内ベンチャー・新規事業の大半はすでに世の中に浸透されつつあるビジネスモデルのため差別化は価格メリット(安く提供できる)になりがち。それにより市場自体も価格競争になりがちで全員ジリ貧。


⑥今までの業務と兼務

これは新規事業にありがちだけど、とりあえず様子を見るために、フルコミットではなくて兼務で新しいことをやらせてみようとなる。任された人も、最初は頑張ろうと応えるが、徐々に今までの仕事にリソースが引っ張られて、結局新しいことに時間が使えなくなりおざなりになる。

新しいことに集中できる環境を作ってあげることが大事。※ちなみに私も自社サービスとライスワークのバランスに今超悩んでる。


➆自社内だけで販売しようとする

(これは主に新規事業ですが、社内ベンチャーもあるかもしれません。)

いいサービスを出しても、それを競争優位性にして自社グループだけで販売しようと思うとスケールしないし、限られたお客様にしか届かないので商品の改善も限定される。

僕は最初のキャリアが代理店でしたが、いくつかいいなと思うサービスがあったのに、そのサービスをフックにして他代理店と差別化をつけ、アカウントをひらこうとするので自社の既存のお客様へ提案ばかり。結局なかなか売れないケースが多く、ダメじゃんってことになる。

これうちじゃなくて外で販売したらいいのにな、と思うこと多数でした。

また、逆に社内ベンチャーなのに、自社グループに頼る営業活動は会社を設立した意味がないのでこれもうまくいかないと思います。とにかくいろんな人脈を頼ってでも外部に会うべき。


日本の上場企業の更にトップ層の企業にいた経験が私にはないので、上記に当てはまらない企業も多いかと思います。逆に大企業でしかできない「人海戦術営業」は最初から一定の売上が出やすいメリットもあります。

多くの人が読んでいると思いますが、「起業の科学」や「リーンスタートアップ」なんかは起業していない人でもおすすめの良本ですので是非!

では!


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