【保存版】ImmutableXってNFTと相性いいの?
こんにちは、CryptoGamesの高橋です。
クリスペの会社です。
1月15日におそらく日本で初のImmutableXのコレクションNFTであるCryptoButlersがリリースされます。
ただ、ImmutableXについて、あまり知らないよという方も多いかと思いましたので、紹介していこうと思います。
0 前提
1)L2(レイヤー2)とサイドチェーンの違いについて
2)「Validity Proof」と「Fraud Proof」について
この二つがご不明な場合は、ぜひ、こちらの記事も参照ください。かなり丁寧に書いてみました。
ここではざっくり
1)L2(レイヤー2)とサイドチェーンの違いについて
⇨L2はメインチェーンにロールアップを行います。
そのため、イーサリアムのセキュリティが使えます。
2)L2の「Validity Proof」と「Fraud Proof」について
「Validity Proof」
⇨正しいと証明した上でメインチェーンに書き込みます。
「Fraud Proof」
⇨書き込んだ後、通報者から怪しいと報告を受けたトランザクションに対して、別途正しいかを確認します。
1 Optimistic rollupsとNFTの相性について
2021年、Optimistic rollupsがとても流行しましたが、これってDeFiの分野がメインだったのではないでしょうか?
実はOptimistic rollupsはNFTとは相性が良くないのではと思っています。
それはなぜでしょう。Optimistic rollupsの欠点を見ていきましょう。
2 Optimistic Rollupの欠点
Optimistic Rollupは資金を引き出すのに一定の時間がかかります。
それは、Optimistic Rollupがいったんメインチェーンに書き込み、怪しそうなものがあれば後から検証するという仕組みだからです。
そのため、確定させる前に、全ての人に対して怪しいかどうかを見てみたり、証拠を集める時間が必要になってきます。
3 Optimistic Rollupの欠点に対する対策(ERC20)
一方これに対して、「ホッププロトコルならすぐに引き出せるよー」と思った方もいらっしゃると思います。
まさにその通りです。
ただこれは、ERC20だからこその「流動性の存在」が前提となっています。
でも、NFT(ERC721)は唯一のものなので、流動性が基本的にはありませんね。
そのため、Optimistic RollupでNFTを扱おうとするとどうしてもこの引き出し期間がネックになってしまいます。
4 ZK Rollupの欠点
では、ZK Rollupには欠点はないのでしょうか?
もちろんそんなことはありませんね。
ZK Rollupの欠点はその暗号化証明という性質から来る「複雑さ」「難解さ」にあります。
これにより、汎用性の難しさ、計算量の増加があります。
そのため技術の進歩が鍵になってきます。
ただ、イーサリアムの生みの親のヴィタリックは次のように言っています。
“…in the medium to long term ZK rollups will win out in all use cases…”.
「中長期的には、すべてのユースケースでZKロールアップが勝利する」
5 暗号化証明の種類(ZK-SNARKとZK-STARK)
まずは、暗号化証明の種類として、
① ZK-SNARK
② ZK-STARK
があります。(名前が似ていますね。)
この二つは大きく違います。
ZK-SNARKの方が広く普及しており、ZK-STARKはZK-SNARKの欠点を補うために出てきました。
ZK-STARKは
① 透明性があるため、検証ができる
② 単純な暗号に依存しているため、量子耐性がある
などがあります。
そして、Immutable XはZK-STARKを採用しています。
6 Volitionとは(どっちかを選べる)
ちなみに、Immutable Xの種別はなんでしょう?(ZK Rollup?)
Immutable XはVolitionを採用しています。
日本語の意味は「決断」などになります。
つまり、自分の判断で「ZK-Rollup」か「Validium ZK-proof」を選べるということです。
ところで、「Validium ZK-proof」ってなんでしょう??
7 Validium ZK-proofってロールアップなの?
「ZK-Rollup」と「Validium ZK-proof」は名前が似ていますが、全く違う概念です。
「Validium ZK-proof」には「Rollup」という名前が入っていませんね。
つまり、「Validium ZK-proof」は「Rolllup」ではありません。(メインネットに書き込みません。)
ただし、「ZK-proof」という名前が示すように、「ゼロ知識証明」は使うようです。
8 Validium ZK-proofって何?
私はサイドチェーンに近いのではないかと感じました。(違うよーという場合は教えていただけると助かります。)
こちらは「public」ではなく、「private」のようです。
そして業界の団体である「データ可用性委員会(data availability committee)」がバッチ処理の署名を行うようです。
そして、メインネットには書き込まないようです。
ただし、データを定期的にIPFSにあげることで、透明性を向上させるようです。
9 Validium ZK-proofって必要?
Validium ZK-proofがメインネットに書き込まないのであれば、そもそも必要なのかというところは人によって意見が分かれると思います。
では、Immutable XはなぜValidium ZK-proofも採用しているのでしょう?
それはゲームや大規模なアプリケーションを想定しているからです。
そもそもロールアップとはデータだけをメインネットに書き込むことでガス代を大きく減らす仕組みでした。
でも書き込む以上、やはりガス代は発生し、ゲームなどのように大量に処理が必要になってくれば、それだけガス代は膨れ上がってしまいます。
そのため、Volitionという仕組みを使い、選択できるようにしたのですね。
いかがでしたでしょうか?
皆さんの参考になりましたら幸いです。
サポートをしていただけたらすごく嬉しいです😄 いただけたサポートを励みに、これからもコツコツ頑張っていきます😊