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うつ病の治療に必要なこと

「うつ病の治療に必要なことは何か?」と聞かれると、「薬でしょう」と答える人が多い。もちろん入院が必要なレベルのうつ病の人には、薬が最も重要であることは間違いない。しかし多くのうつ病の人にとっては薬はあった方が良いものの、不可欠ではない。

うつ病の治療には以下の4つが必要で、この4つが揃えば多くのうつ病は薬が無くても十分治りえる。


時間 ほどよい休息とほどよい活動

うつ病の治療には休息が最も重要である。しかし「何もしないで休む」だけで治る人がいる一方で、休むだけでは一向に良くならない人がいることも確かである。

3ヶ月しっかり休んでそれで治ってこない人は、
・休息が本当の意味で休息になっていない
休息だけでは治らないタイプのうつ病
のどちらかであることが多い。

「何もしないで休む」は実は難しい。仕事や家事を休んで一日横になっていても、仕事や家事のことを考えたり焦ったり、何も出来ない自分を責めたりしてしまう。身体は動かしていないのに、頭だけが疲れきってしまう毎日で、休息になっていない人が多い。ほどよく休息しほどよく活動することで、時間の経過とともに自然治癒力が働きうつ病は回復していく。

 規則正しい生活

うつ病の特徴として、寝付きが悪くなり途中で目が覚めたりする。また午前中に特に調子が悪く午後に少し楽になる。結果的に夜遅くまで起きていて昼頃まで寝ている。朝食は食べずに、昼食と夕食だけになり、夜中におやつを食べる。昼頃まで寝ていたので当然ながら夜はなかなか眠れない。

昼夜逆転気味の生活になってしまう。

これをゆっくりと治していくことが必要となる。

つらいものの
・朝 起きる
・窓を開けて外の空気を吸い太陽の光を浴びる
・軽く身体をほぐす
・ほんの少しでも朝食を食べる
・日中は布団やベットに横にならない。つらくてもソファーに座っている程度にする
・少し回復してきたら散歩をする
などの規則正しい生活をすることで少しずつ回復していく。

 コントロールの回復:頭→身体 から 頭←→身体

うつ病になると、頭が動けと命令をしても、身体が言うことをきかなくなる。つまり頭が身体をコントロールできなくなる。

しかし、うつ病の回復は「再び頭が身体をコントロールできるようになること」と考えるのは間違いである。頭が身体をコントロールすると同時に、身体は頭に色々な情報を伝えて来ている。

足が軽い、腰が痛い、眼が疲れた、頭が重いなど、これらの情報は「調子が良い」「もう少しなら大丈夫」「少し休むよう」などの意味をもち、それに従って行動をしており、実は身体も頭をコントロールしている。

言わば頭と身体が相談しながら生活をしている。

 うつ病になりやすい人、あるいは回復がなかなか進まない人は、身体からの情報を殆ど無視し、頭が全て決め身体を一方的にコントロールしようとする。どんなに身体が疲れていても、全力で動き続けようとする。今の自分の限界を超えて動きすぎ、すぐに動けなくなってしまう。

頭が身体をコントロールすると同時に、身体が頭をコントロールすることができるようにすることが回復に必要である。

 自信の回復

うつ病になる前からすべての人には調子の良い日と悪い日がある。ほとんど気にすることは無く、その日の調子にあわせて生活をしている。またストレスや失敗に対しても、「なんとかなるかな」と思いながら生活している。

 うつ病になり自信がなくなると、ちょっとした調子の悪さ、ストレス、失敗に過剰に反応してしまい「もうダメだ」「やっぱり自分は駄目だ」「また悪くなってしまった」などと、つい悲観的・絶望的になってしまい、大きく揺れ更に不安定になっていく。この自信のなさはうつ病が治ったあとも、程度の差はあるものの持ち続ける人が多い。

「(以前に比べると)まだまだだけど、自分はここまではできるようになった」という自信が自分を支えてくれ、本当の意味での回復につながる。

 

うつ病の治療をしている人へ

うつ病は簡単な病気ではありません。薬を飲んでただ休んでおけば治るという人ばかりではありません。

しかしうつ病の治療に必要なことを守りながら治療を続ければ必ず治る病気です。

焦らずしっかりと回復の道を進んで行きましょう


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