見出し画像

主治医と上手く付き合う方法

主治医と上手く付き合うことは、治療を円滑に進め、毎回の診察を気持よく受けるため大切である。

それにはちょっとしたコツがある。


話は5分程度に短くまとめる

伝えたいことがある程度あるときには、メモを利用したほうが良い。メモをダラダラと読み上げてはいけない。要点を箇条書きにしておき渡すほうが良い。

「字が汚いから」と読み上げる人がいるものの、少なくとも私は”汚い字”を見るより、感情のこもっていない”朗読”を聞かされる方が苦痛である。

この辺りは、私が言葉を見て把握する能力が、聞いて把握する能力より圧倒的に高いことが影響するかもしれない。聞いて把握する能力が高い医師は、メモを見せるより読み上げるほうを好むかもしれない。


話題は最大3つにする

伝えたいこと・聞きたいことは一杯あるかもしれない。しかし3つ以上を話題にすると、時間がかかる上に、医師もどれが重要と思っているのか、どれに答えたらいいか分からなくなる。結局自分が答えてもらいたいことに答えてもらえないことが良くある。

さらに話した本人も「話した」という満足は得られるかもしれないが、医師が答えた話は覚えていないことが多い。医師がなんと答えたか覚えていられないような診察は避けるべきである。


病気や薬についてしっかり勉強する

自分の病気や飲んでいる薬についてしっかり勉強することは重要である。風邪薬のように数日飲んで終わりというものなら、ほとんど知らなくても十分である。しかし精神疾患は、最短でも数か月、長ければ数年、時に一生つきあう病気であり、いま飲んでいる薬は相性が合えば数十年つきあうものである。病気や薬についてしっかりと勉強することは当然である。

しかし決して知識を見せびらかさないことが重要である。見せびらかすと医師の機嫌を損ねることが良くある。

例えば、薬の副作用の話をしているときに、
患者「目がピクピクするんです、副作用だと思うんです」
医師「緊張からきているんじゃないですか」
患者「でも、調べたら、”眼瞼痙攣”って副作用が書いてあったんです」
医師「だからなに (-_-)」
患者「・・・・」

こういう会話になりやすい。

医師の視点からすると、
・不安や緊張が強いから今の薬を使っている
・目がピクピクするなどの症状は、緊張から出やすく、それを気にして不安になっている
・気にするとますます悪くなる
・まだ薬を使わないといけないなー
・でも副作用かもしれないからいつ減らそうかな-
などと考えたりしている。

それを「副作用だ!副作用だ!私は知っているんだぞ!」と言わんばかりの態度をとられると、「じゃあ 勝手にすれば(-.-;)」となる医師は多い。


絶対に必要な薬、必要な薬、やめれるかもしれない薬 を聞く

以下の文章は本気で減薬を考えている人向けである。


決して「不要な薬」とは言わない。「不要な薬はない。必要だから出している!」と機嫌を損ねるだけである。「やめることができるかもしれない薬はどれですか?」と聞くのが良い。


減薬をしたいという気持ちを伝える

薬を整理する・減らすときには、再燃・再発の危険性がありそれなりの覚悟が必要である。ただ「飲みたくない」では話にならない。

「先生のおかげで少しずつ楽になってきました。少しずつ薬の力を借りずに生活ができるようになってきたいので、どの薬なら減らすことができますか?」
「心配はあるけれど、ゆっくりと整理していきたいので、お願いします。」
「どの薬が私にとって最も大事な薬なんですか?」
などと聞くのが良い。

そしてやめれるかもしれない薬からゆっくりと整理をしていくか、まだ飲み続けるか相談する。


医師にとって都合の良い患者になる

こういう話をすると、一部の人は「要するに自分(医師)にとって、都合のいい患者・家族にしたいだけだろう!」と批判する。確かにある程度 医師にとって都合のいいことを要求している。

ただ現実的に本人や家族に対して十分に時間をかけて丁寧にしっかりと対応してくれる医師はそんなにいない。私自身もできていない。もしそんな医師がいてもあっという間に人が押し寄せて、その医師が一杯一杯になってしまう。初めは熱意をもって取り組んでいたものの、途中で潰れて休まざるを得なくなったり、転勤していった医師も多く見ている。

また病院や医師を変えたくても、交通の便などの関係から変えれない人も多い。その人たちが少しでも上手く、目の前の主治医とコミュニケーションが取れるようになることは非常に大事なことだと思っている。本当は医師自体も変わっていかないといけないけれど、少なくとも今は難しい。

今 みなさんにできることは、目の前の医師と上手に付き合う術を身に着けることである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?