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人にお金を貸してはいけない理由

今回はタイトル通り完全に精神科医療とは関係のない話である。

人生の中で大切なことであるものの、なぜいけないのか、何が問題なのか、明確に書いてあるものがあまりないので、家族に説明するために作成したものを紹介する。


1.人に金を貸してと頼んでくる人は既に金銭的に終わっている

現在は簡単に金を借りることができる。

それにも関わらず人に金を貸してと頼んでくるのは、世の中の金を貸す会社、その人の周りにいる多くの人がこれ以上金を貸してくれないからである。

あなたに「金を貸してほしい」という人は、既に多くの借金を抱え金銭的にどうにもならなくなっている人である。その人が金を返すことができる可能性はほぼ無である。

2.人は金に困ると平気でうそをつく

「今は金がないけれど〇〇までにはお金が入る」「他に借金はしていない」「病気になって(けがをして)治療のために金が必要になった」など、金を手に入れるためにうそをついてしまう。

初めは、秘密から始まり、軽いうそに変わり、大きなうそになっていくなかで、「最後に金を返したらいいんだ」「ばれなきゃいいんだ」とうそをつくことが平気になっていく。

あなたに「〇〇で困っているから金を貸してほしい」「〇〇までに必ず返すから」と言っている人は、金に困って平気でうそをついている人である可能性が高い。

普段 どんなにいい人でも、人はお金に困ると平気でうそをついてしまう。

これが金の魔力である。

3.金を返さない人が悪いのではなく 返せない人に貸す人が悪い

借金を返すことができなくなったら、裁判所に自己破産を申請するとすべての借金が帳消しになる。

自己破産をすると、ローンが組めない、クレジットカードを作れない、弁護士などになれない、という制限があるものの普通の生活には何ら問題はなく、毎年7万人もの人が自己破産をしている。

自己破産した人に金を貸していた人は請求をすることができず、強く請求すると罰せられることすらある。

自己破産の制度は日本だけではなく、世界的に一般的な制度である。

金を返さない人が悪いのではなく、返せない人に貸す人が悪い のである。

4.借用書には何ら権限がない

借用書をもらったから安心と思うかもしれない。

借用書は金を貸したという証明ではあるものの、金を返させる権限はない。返してもらえないときには、1)相手の住所の管轄の家庭裁判所に裁判を起こし判決をもらう、2)判決をもとに相手に請求する、3)それでも払ってくれなければ再度裁判を起こし財産の差し押さえ指示をもらう、という2回の訴訟手順を踏む必要がある。

裁判には時間と費用がかかり、財産がなければ差し押さえもできない上に、途中で自己破産を申請されると借金が消滅する。

借用書に意味があるのは、相手に十分な財産・収入があるときだけである。

そんな人はあなたに金を貸してと言ったりはしない。

5.結論

絶対に人に金を貸すな!

どうしても貸したい、助けてあげたいと思うなら金をあげなさい。

決して返してもらおうと思ってはいけない。

6.本当に大切な人から「金を貸して」と言われたら

金を貸せないけれど相談には乗れる と伝える

 1で書いたように、基本的に「人に金を貸してと頼んでくる人は金銭的に終わっている」ということを忘れてはならない。

金を貸すのではなく、金銭的に終わっているところから抜け出せるように援助をすることが必要である。

大切な人に金を貸すのは借金総額を増やし、さらに事態を泥沼化させるだけである。

助けてあげているのではない、復活できないようにしているだけである。

借金の総額いくらあるのか? と聞く

初めに相手が答える借金総額はほぼ確実にうそである。

何度も「わかった。で、他にもあるでしょう?」と聞く必要がある。

 本当は何があったのか? と聞く

初めに相手が説明した借金理由もまた確実にうそである。

これらを聞いている途中で怒り出す人は、あなたはその人のことを大切な人と思っているのかもしれないが、相手はあなたのことをそれほど大切な人とは思っていない。

「金を貸してくれないくせに、なんで根掘り葉掘り聞いてくるんだ!」と思う人である。

縁を切りましょう。

 聞いた話は 必ず 警察や家族など別の人に伝える

聞いてみると、借金地獄でもうどうにもならなそうな人、詐欺被害にあっている人、ということが分かってくる。

しかし本人は気が付いていないことが多い。

うすうす気が付いていても、「そんなことないだろう」「今 金を払ったら解決できるだろう」と思い込もうとしている。

これらの問題を自分たちだけで解決しようとしてはいけない。

借金地獄は専門家に相談するしかない。

詐欺被害は警察に相談するしかない。

詐欺集団は、自分たちよりはるかに頭がよく、はるかに話術がうまいことを忘れてはいけない。

なんとか相手を納得させる方法を考えても無駄である。

どんな返事をしてもそれに対する対応がフローチャート化されており、勝ち目はない。

詐欺集団にとって警察や家族に相談しない人は最高のカモである。

詐欺被害や借金地獄から抜け出すきっかけを作る

詐欺集団は「警察に相談したら殺す」「家に押し掛ける」「自分が殺されてしまう」などと脅したり、不安がらせるものの、まず間違いなく暴力的な行動をしない。

彼らは電話をするだけで数十万~数百万円を払ってくれる人を相手に商売をしており、人の家まで押しかけて暴力を振る暇があったら別のカモを探す。

警察に相談し指示通りに動いたら、連絡をしてくることはほぼない。

ただし詐欺被害にあった人に「金を取り戻す方法があります」と警察や弁護士の名を語り、再度だまそうとする人たちもいるため、必ず決まった連絡先に自分が連絡をする必要がある。

また借金地獄に陥っている人は弁護士や司法書士に相談し自己破産などの方法を相談するようにアドバイスするのが良い。

こういったことをアドバイスし冷静さを取り戻す援助をするのが、大切な人を守るために必要であり、大切な人に対してできる唯一のことである。


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