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2022年9月の記事一覧

認知症に対する抗精神病薬

認知症に対する抗精神病薬

認知症の精神症状、最近は認知症の行動・心理症状(BPSD)と表現される、の治療に抗精神病薬が使用されることが多いものの様々な問題・課題を抱えている。

1.適応外使用チアプリド(グラマリール)は「脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄の改善」という適応をもっているものの、他の薬は基本的に適応外である。

しかし抗精神病薬は認知所のBPSDに効果があることは広く知られており、ガイドライ

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自分の統合失調症の治療アルゴリズム 初発編

自分の統合失調症の治療アルゴリズム 初発編

統合失調症の治療ガイドはいくつかあるものの、基本的に第二世代抗精神病薬の中からどれを使ってもよいとされている。

自分なりの初発の統合失調症に対する治療アルゴリズムを紹介する。比較のため現在の自分のアルゴリズムと10年以上前のものを紹介する。

ちなみに以下の記事はうつ病編。

抗精神病薬過去:リスペリドン2-4mg 夕食後 <最大8mgまで>

現在:ブレクスピラゾール(レキサルティ)2mg 夕

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統合失調症の多剤併用に関する論文

統合失調症の多剤併用に関する論文

抗精神病薬の多剤併用・大量投与は、

・効果が高まるという明確なエビデンスが無い
・副作用が増加する
・値段が高くなることが多い
などの問題が指摘されている。

多剤併用に関する論文のレビュー多剤併用の効果と副作用に関してレビュー(Galling B et al. 2017)を紹介する。

ちなみに、オープンラベル試験とは医師も患者もどの治療を受けているか知っている試験であり、ダブルブラインド試験

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多剤併用・大量投与がなかなか抜けれない人たち

多剤併用・大量投与がなかなか抜けれない人たち

多剤併用・大量投与は医師の責任か?多剤併用・大量投与の話がなされるときには、ほとんどの場合は医師の責任にされる。

しかし実際は必ずしも医師だけが悪い訳ではない。

もちろん処方しているのは医師であるが、本人や家族の”協力”がないと多剤併用・大量投与は起きないことが多い。

多剤併用・大量投与されている人が、転院してきて時間をかけて減量をしていることが時々あるもののかなり難しい。

極めて少量ずつ

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