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『奥会津最後のマタギ』取材記録

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小学館の雑誌『BE-PAL』に2019年2月号から2021年8月号まで連載した『奥会津最後のマタギ』の取材記録を写真中心に振り返る内容です。
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2021年8月の記事一覧

「奥会津最後のマタギ」取材記録 2017年9月

 猪俣さんに会うために再び奥会津・金山町を訪ねたのは翌2017年9月のこと。猪俣さんが「生活」の先生として名を連ねている「熱中小学校」について取材をするためだった。2021年現在、北海道から沖縄まで20校近くにまで広がった熱中小学校の設立に、猪俣さんは大きく関わっているのだ。
 取材の翌日、猪俣さんにお願いして沼沢湖でのヒメマス釣り、渓流でのイワナやヤマメ釣りにつれて行ってもらった。ヒメマス釣りは

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自然との共生を図るマタギに密着したワクワクドキドキ体験記

 猪俣昭夫さん(1950年生まれ)は、江戸時代より前に奥会津・金山町の三条地区に移り住んだ旅マタギの系譜を継ぐ最後の一人。身長185㎝の長身。すらっと伸びた長い脚。高倉健を彷彿させる男前。流行の服を着せればモデルのようであり、ダークスーツを着せれば大会社の重役のようにも見える。マタギという言葉からイメージする風体と、猪俣さんのそれとはまったく異なる。
 初めて会ったのは2016年2月のこと。雪に埋

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