#2 暗黒の〜中学時代

私は長野県の田んぼに囲まれた土地で、稲作をメインに農業を営む農家の長男として生まれました。

祖父、祖母、父、母、姉、弟の7人で、毎日お米を一升二合たいらげる家族でした。

家は古く、食事は畑で作った野菜ばかりで、服は穴あきやほつれを縫ったものばかり。
決して裕福とは言えない家庭で育ちました。

近所にできた新興住宅街に住むサラリーマン家庭の、都会的で清潔な同級生のことを常に羨ましく思っていました。


春から秋は家業が忙しく、親に遊んでもらった記憶はあまりありませんでした。
畑に連れて行かれては1人で虫や棒で遊んでいました。

車の廃棄場のようなところが近くにあり、少し大きくなると、一人で入り込んではガラスを割ったりしていました。
(長い期間車が積まれており、潰される気配がなかったのでスクラップ場ではなく、ただ廃棄された車を置いていたとこだと思います。)

小学校の文集で将来の夢を書く場面があり、「先生、車を壊す人はなんて職業?」と聞いたところ、教えてもらったまま『車の整備士』と書きました。
探せば今でもその文集が出てくると思います。


弟が私と遊べるようになってからは、危ない遊びばかりして、よくケガをさせてしまっていました。

姉とは遊んだ記憶はあまりありません。


幼少期に一番覚えているのは父親の存在です。

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