損失回避の法則から学ぶ人間の心理とは?
怨気満腹(えんきまんぷく)
→ 非常に強い恨み。
非常に恨みを持つということは、正常な精神判断ができていないときである。
生きていて最も複雑に入り乱れるのが人として誰もが持っている感情だ。
その感情が大きくそのときどきの行動を左右する。
かくいう私も、まだまだ感情に左右されてしまうと感じることがあるので、常に冷静でありたいと思う。
そもそも、人間には損失回避の法則というものがある。
人の中に無意識にある損失回避の法則とは?
損失回避の法則とは、人は無意識に得することよりも損をすることを避けようとすることをいう。
そんな損失回避の法則を知るために有名な3つの質問がある。
A. 100万円が無条件でもらえる
B. 200万円がコイントスの裏表を当てればもらえる(確率1/2)
上記の質問に対して、あなたならどちらを選ぶかというものだが、この場合にはほとんどの人がAを選択する傾向にある。
このときの心理は、なにも手に入らないよりも確実に100万円を手に入れようというものだ。
つまり、100万円入らないことをリスク = 損失と判断して、ギャンブルはしないということである。
A. 200万円の借金が半分になる
B. 200万円の借金がコイントスの裏表を当てれば帳消しになる(確率1/2)
次の質問は借金に関するものである。
お金がもらえるというときとは真逆で、こうなると多くの人がBを選択するという。
堅実にいくのであれば、確実に100万円減らせるAを選ぶように思うが、少しでも借金が残るのがイヤだという判断になるのである。
この状態はまさに冒頭に書いた正常な判断ができていないときなのだが、ギャンブルに走るという心理がある。
A. コイントスで表が出たら3万円もらえる
B. コイントスで裏が出たら2万円支払う
最後の質問は、このゲームに参加するか否かというものだ。
単純な損得を考えたときには得の方が上になるはずなのに、ほとんどの人が参加しないという。
要するに無理にリスクを犯して損をすることを嫌うのである。
ただ、得が損の2〜2.5倍になると参加希望者が半数まで高まるというデータも出ているから面白い。
それ以上の高額レートになると参加者が一気に減るらしいが、カジノなどはこのあたりの心理を上手く利用しているといわれている。
上記に書いた3つの質問の回答の傾向をまとめると下記のようになる。
・利益を得られる状況では、利益を逃すリスク = 損失を回避する
・損失を被る状況では、リスク = 損失を負ってでも損失を回避する
・損得が分かれる状況では、利益を得ることよりもリスク = 損失を被ることに敏感になる
損失回避の法則からマーケティングを学ぶ
そんな損失回避の法則を利用して、様々なところでマーケティングが行われている。
そのマーケティング手法は、人がつい買ってしまうという心理をつくというものだ。
まずは、今を逃すと損をすると感じさせるという手法だ。
例えば、こんな謳い文句を聞いたことがないだろうか。
・本日限り50%OFF!
・間もなくポイントが失効します!
この手法は、まさに今買わないと後で損をした気分になるかもという人の心理を上手くついたものである。
次に紹介するのが、リスク = 損失の恐怖を緩和させるという手法である。
・効果がない場合には全額返金します!
・14日間分は無料でお試しできます!
ここ数年はD2Cと呼ばれるECが盛り上がっていることもあり、こういった謳い文句が当たり前になっている。
買う側としては、合わなかったらお金が返ってくるという安心感から、つい買ってしまうという心理が働くのである。
一方で、販売するものによっては、薬機法の改正も多くあるところなので、あまり過度な表現は違法になる可能性もあるので、注意したい。
最後に、このままだとリスク = 損失だと感じさせる手法の紹介である。
・会員になると30%永久割引!
・不眠の原因は枕が合っていないからです!
この手法は、このままだとずっとリスク = 損失が積み重なるということを心理に訴えているのである。
長い目でみたときに、今決断することでリスク = 損失が回避できるならと財布の紐を緩めさせるという手法だ。
損失回避の法則から学べるマーケティングのトリガーポイントをまとめておこう。
・今を逃すと損をすると感じさせるトリガー
・リスク = 損失の恐怖を緩和させるトリガー
・このままだとリスク = 損失だと感じさせるトリガー
まとめ
今や多くのモノが世の中に溢れていて、消費者の目も日に日に厳しくなっている。
衝動的にモノを買うということがされなくなっていて、ストーリーを重視するといったことはよく聞かれるようになった。
ストーリーテリングという言葉を聞いたことがある人も多いと思うが、まさにそのとおりで、その原因は情報が溢れていることにある。
その情報に誰でも簡単にアクセスできるようになったという言い方もできる。
その理由としては、インターネットの普及が大きな役割を担っていると個人的には感じている。
そんな中で、モノづくりについては考えさせられる。
もちろん、いいモノをつくるというというのは大前提なのだが、自分たちの方がいいモノなのに他社の製品の方が売れているという印象を持ったことがある人もいるだろう。
あるいは、自分の方がもっといいモノがつくれると思っている人は、もしかするとモノが作れているのではなく、優秀なストーリーテーラーなのかもしれない。
stakにとってもとても大切なところなので、しっかり学んでいきたいと思う。
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植田 振一郎 Twitter
株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。