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試したくなる意思の堅さを測る心理テスト

心堅石穿(しんけんせきせん)
→ 意思が堅ければ石にさえ穴をあけることができるという意から、意思が堅ければどんな困難も克服できるということ。

四字熟語の多くは、こういったメンタル面というか、マインドをしっかり持てよパターンが多い。

意思が堅ければどんなこんなんも克服できるという言い回しは、まさにその典型だ。

結論からいうと、残念ながら意思が堅くても突破できない困難はある。

でも、それは意思を堅く持つことを否定しているわけではない。

どんなに意思が堅くても突破できない困難があることを知った上で、それでも意思を堅く持つ必要があることを知っている人は強い。

つまり、意思は堅く持つべきだが、堅く持ちすぎるべきではない。

柔軟性を失った意思には価値がないということを私は言っている。

とはいえ、意思の硬さを正確に測る方法はない。

ということで、意思の硬さを測るとされる心理テストをいくつか紹介していこう。

意思の硬さを測る心理テスト

マシュマロ・テスト(遅延満足テスト)

マシュマロ・テストは、特に子どもたちの自己制御力を評価するために使われることが多い。

テストの内容は、子どもに「今すぐ1つのマシュマロを食べることもできるし、15分から20分程度待って2つのマシュマロを食べることもできる」という選択を迫るものだ。

結果、すぐに食べてしまう子どもは自己制御力が低いとされ、待つことができる子供は自己制御力が高いとされるというものだ。

スタンプ集めテスト(BIS / BASスケール)

スタンプ集めテストテストは、意思力に関連する要素である「報酬への追求(BAS)」と「罰や不快な結果からの回避(BIS)」を測定する。

一連の声明に対して同意する度合いを5段階で評価し、個々のBIS / BASスコアを算出する。

これにより、個々の動機付けスタイルや自己制御の傾向を推測することができる。

アイゼンクのパーソナリティ問題票(EPQ)

アイゼンクのパーソナリティ問題票 = EPQは、アイゼンクのパーソナリティ理論に基づいて開発された心理テストだ。

自己制御の一種である抑制性を含む、外向性、神経症傾向、精神病質傾向、抑制性の4つの主要なパーソナリティ特性を測定する。

自己制御スケール(SCS)

自己制御スケール = SCSは、一般的な自己制御能力を測定するためによく用いられる。

36のアイテムからなるこのスケールでは、5点リッカート型スケールで評価し、その結果を通じて自己制御能力を評価する。

クーリッジ・エフェクト・テスト

クーリッジ・エフェクト・テストは、もともと動物の行動について研究するために使われたが、一部の研究者はこれを人間の意思力のテストに応用している。

テストは、個人が新たな刺激、または報酬にどれだけ抵抗するかを評価する。

新しい刺激を探し求める傾向が強ければ、その人の自己制御力は比較的低いと考えられる。

ウィスコンシンカードソーティングテスト(WCST)

ウィスコンシンカードソーティングテスト = WCSTは、もともと脳障害者の抽象的思考能力を評価するために開発されました。

その後、意思力や自己制御力の測定にも用いられるようになった。

テストは、複数のカードのパターンや色に基づいてカードを分類するタスクから成り立っている。

ルールは途中で変わり、被験者はそれに対応する必要がある。

ルールの変化にどれだけ順応できるかは、自己制御力の一面を示すと考えられる。

ストループテスト

ストループテストは、注意力と自己制御力を評価するものだ。

被験者には色の名前が書かれた単語を読むように求められるが、単語の内容とその色が一致しない場合がある。

例えば、"red"という単語が緑色で書かれているといった具合いだ。

被験者は単語の色を名前で言うように求められる。

自己制御力が高い人は、単語の意味に惑わされずに正確に色を言うことができる傾向がある。

二択遅延報酬テスト

上述したマシュマロテストと似ているが、成人に対しても用いられる。

例えば、ある小額の金額を「今すぐ」受け取るか、またはより大きな金額を「一週間後」に受け取るか、といった選択をさせる。

遅延報酬を選ぶ人は、一般的に高い自己制御力を持っていると解釈される。

温度耐性テスト

温度耐性テストは意思力と忍耐力の両方を評価する。

被験者は自分の手を冷たい水に入れてどれだけ長い時間耐えることができるかをテストする。

これは身体的な不快感を耐える能力と、その状況での自己制御力を評価するものだ。

ゴール追求テスト

ゴール追求テストでは、被験者に一定の期間、例えば1ヶ月で達成するべき具体的なゴールを設定させ、その進捗を追跡する。

ゴール達成のためにどの程度の努力をし、困難や挫折にどう対処するかを観察することで、その人の意志力を評価するというものだ。

手のひら抵抗テスト

手のひら抵抗テストは、被験者は自分の手のひらを固い平面に押し付けて抵抗する。

時間が経つにつれてこの行為は徐々に困難になるが、その困難さに耐える能力は自己制御力の一面を示している。

ブリーフ自己制御スケール

ブリーフ自己制御スケールは、通常13の質問の問題集となっていて、人々が自分の意思力や自己制御力についてどのように感じているかを評価するのに使われる。

運動テスト

運動の世界では、自己制御力と意思力は密接に関連している。

長時間のランニングや困難な体操ルーチンなど、身体的に厳しい挑戦を通じて自己制御力を測定することができる。

困難なパズル

難解なパズルや課題を解くことにより、人々が困難な状況にどれだけ粘り強く取り組むかを評価することができる。

これは目標へのコミットメントと一貫性を測定する1つの方法だ。

日記法

日記法は、1週間や1ヶ月という一定期間、自己制御の瞬間や挑戦を日記に記録させる。

その後、そのエントリーを分析して自己制御力を評価する。

エゴデプレーションタスク

この実験では、まず被験者に、自己制御を要求するタスクを行わせる。

例えば美味しそうに食べ物を前にして食べないといったタスクだ。

その後、別の自己制御タスクを行わせ、最初のタスクが後続のタスクへどれだけ影響を与えるかを観察する。

スタンフォード時間視点インベントリ(ZTPI)

スタンフォード時間視点インベントリ = ZTPIでは、過去、現在、未来に対する被験者の態度を調査する。

一般に、未来志向の人々は自己制御力が強いと考えられている。

アクションと状態指向スケール

アクションと状態指向スケールは、人々が困難な状況にどのように対処するか、その人が行動指向型か状態指向型かを評価する。

一般的に行動指向型の人々は、自己制御力が強いと考えられるわけだ。

イエール・フード・アディクション・スケール (YFAS)

食物への依存性を評価するための測定ツールだ。

これは自己制御の一部としての食欲制御を評価する。

高いスコアは食物への依存性が高いことを示し、一般的に自己制御力が低いと考えられる。

ネッチータイム管理行動スケール

ネッチータイム管理行動スケールは、時間管理行動を評価するものだ。

良好な時間管理スキルは一般的に高い自己制御力を示す。

これには目標設定、時間の優先順位付け、時間の浪費を避けるための戦略などが含まれる。

テンパメントとキャラクターのインベントリー (TCI)

テンパメントとキャラクターのインベントリー (TCI)は、7つの個性的特性、その中に「自己指向性」が含まれている。

自己指向性は、自己の価値や目標に沿った行動を制御、選択、実行する能力を示す。

ホワイトベア抑制チェックリスト

白いクマ効果とも呼ばれるホワイトベア抑制チェックリストは、ある思考を抑制しようとするほど、それが逆に頭の中で増幅される現象を指す。

このチェックリストは、個々の抑制能力を評価し、高得点者は、自己制御力が高いと解釈される。

ADHD自己レポートスケール(ASRS-v1.1)

大人のADHDのスクリーニングツールで、注意力と自己制御の問題を評価する。

ADHDの症状がある人は自己制御に問題を抱えることがよくある。

ベックの不安インベントリー(BAI)

ベックの不安インベントリー(BAI)は、不安の度合いを評価する。

不安は自己制御に影響を与える可能性があり、このテストは間接的に自己制御力の一部を評価する。

ダイエット自己効力感スケール

ダイエットと食事の自己制御力を評価する。

食欲をコントロールする能力は、自己制御力の重要な側面として捉えることができるという理論だ。

フレーム行動質問紙

この質問紙は、個々がギャンブルやリスキーな選択にどのように反応するかを評価する。

リスクを避け、冷静な判断を下す能力は自己制御力の重要な一部だ。

バークレー式表現抑制インベントリー

バークレー式表現抑制インベントリーは、個々が感情をどの程度抑制するかを評価する。

感情の抑制は、自己制御力の一部だという考え方に基づいている。

まとめ

ザッと挙げただけでも、30近くの意思の硬さを測る心理テストがあるわけだ。

つまり、それだけ意思の硬さを正確に測ることができないということの裏返しだという見方もできるだろう。

例を挙げた中の方法に興味があるという人は、より細かく個別に測定方法を調べてみるなどして、人の心理を読める側に回るのもオススメだ。

心理を読めるというのは、いつの時代も大きな武器になることは間違いない。


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植田 振一郎 Twitter

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