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人心掌握術に長けていた歴史上の人物

人心収攬(じんしんしゅうらん)
→ 人々の気持ちを上手く掴んでまとめることや人々の信頼を得ること。

人の気持ちを上手に掴む術を人心掌握術という。

人の上に立ちたいと思っている人には欠かせないスキルなのだと思う。

ただ、手に入れるスキルというよりは、自然と人心掌握術を身につけていて、事後的に評価されるものでもあるような気もしている。

ということで、人心掌握術について書いていこうと思う。

今さら聞けない人心掌握術ってなぁに?

人心掌握術とは、直訳すると「人々の心を掴む技術」を指す。

一般的には、リーダーシップ、影響力、説得力、または対人スキルといった要素を含む人間関係の管理や操縦の技術を指すと考えられる。

具体的には、他人の感情、動機、願望を理解し、それらを上手く利用して自分の目標を達成するためのスキルやテクニックを指すことが多い。

これは、ビジネス環境や政治の世界で特に重要であり、リーダーシップ、営業、交渉、チームビルディングなどの多くの領域で応用される。

ただし、人心掌握術は悪用すると非倫理的になる可能性があるため、常に他人を尊重し、誠実さと公正性を保つことが重要だ。

歴史に名を刻む人心掌握術に長けた人物

それでは、具体的にどんな人物が人心掌握術に長けているとされるのか。

歴史に名を刻む人物を列挙することで、なんとなくイメージを持ってもらえるのではないだろうか。

孫武(紀元前544年 - 紀元前496年)

古代中国の軍事戦略家で、「孫子の兵法」の著者として知られる孫武は、他者を理解し操る技術に優れていた。

彼は情報の重要性を強調し、敵の弱点と強みを把握することで彼らを操る方法を教えた。

彼の教えは、特に軍事戦略だけでなく、ビジネスや政治、日常生活における対人関係の管理にも応用されている。

また、彼の理論は、敵を知り、自己を知ることによって、百戦百勝することができると主張している。

これは、自分自身と他者の理解という観点から、人心掌握術の基本的な要素を非常によく表している。

ハンニバル・バルカ(紀元前247年 - 紀元前183年)

カルタゴの将軍ハンニバルは、ローマとの間で行われた第二次ポエニ戦争で特に知られている。

彼はローマを打ち負かすために、象を使ってアルプス山脈を越えるという驚くべき軍事行動を行った。

ハンニバルはそのカリスマ性と軍事的才能で兵士の忠誠を勝ち取り、数々の困難を乗り越えた。

その中には、過酷な冬季通行を含むアルプス越えや、数で劣る状況下での戦闘があった。

これらの困難な状況を乗り越えることで、ハンニバルはその指導力と人心掌握術の巧みさを示した。

バウディカ(紀元30年頃 - 紀元61年頃)

イギリスの女性戦士バウディカは、ローマ帝国に対する反乱のリーダーだった。

彼女はその強力なリーダーシップと勇敢さで、多くの部族を団結させ、ローマに対抗した。

彼女の勇敢さと決断力は、その時代の女性には珍しく、彼女を非常に記憶に残る人物にしている。

また、彼女が示した強い意志と勇気は、彼女が率いる人々に強い影響を与え、彼女の目的に共感し行動を起こすように動かした。

シャカ・ズールー(1787年 - 1828年)

ズールー王国の創設者であるシャカ・ズールーは、その軍事的才能とカリスマ性で、ズールーを強力な国家に発展させた。

彼はその部族の心を掴み、彼らを統一し、そのリーダーシップの下で周囲の部族を征服した。

シャカはまた、その武器と戦術の革新、特に"牛の角"と呼ばれる包囲戦術の開発で知られている。

これらの革新は、彼が統治する人々を強く影響し、彼らが彼のリーダーシップを支持する一因となった。

ジェシー・オーエンス(1913年 - 1980年)

アメリカの陸上競技選手ジェシー・オーエンスは、1936年のベルリンオリンピックで4つの金メダルを獲得した。

このオリンピックは、アドルフ・ヒトラーがアーリア人の優越性を証明しようと試みたものだったが、オーエンスの勝利はその主張を覆した。

彼の卓越したパフォーマンスと人種差別に立ち向かう勇気は、世界中の人々を鼓舞し、多くの人々の心を動かした。

アーネスト・シャクルトン(1874年 - 1922年)

英国の探検家であるシャクルトンは、1914年から1917年にかけての南極探検の間に、そのリーダーシップと決断力を見せつけた。

彼の探検は目的を達成できなかったものの、彼のリーダーシップは乗組員全員が生き残ることを可能にした。

彼は困難な状況でも楽観的で、乗組員の士気を維持するために多くの工夫を行った。

その結果、彼のチームは、彼らが遭遇した厳しい状況を乗り越えることができた。

フリーダ・カーロ(1907年 - 1954年)

メキシコの画家フリーダ・カーロは、自身の体験と感情を素直に描き出し、その作品を通じて観る者に深い感銘を与えた。

彼女は生涯を通じて多くの肉体的および精神的な苦しみを経験したが、これらの体験を彼女の芸術作品に反映させることで、観る者と深い感情的なつながりを築いた。

彼女の作品は痛みと情熱を描写し、観る者の心を動かした。

彼女の芸術は、視覚的な表現を通じて人々の心を掴む、人心掌握術の一形態ともいえるだろう。

ティム・クック(1960年 - )

アップルの現CEOで、彼は自社の製品とビジョンを強く信じており、その情熱と誠実さはアップルの従業員や顧客を鼓舞している。

彼は公共の場でLGBTQ+の権利やプライバシーの保護など、自身が信じる価値を強く擁護している。

また、彼のリーダーシップと信念は、彼が取り組む問題に対する認識を高め、行動を起こすよう人々を動かしている。

メアリー・バラ(1961年 - )

ゼネラルモーターズの現CEOで、彼女は自動車業界における最初の女性CEOとなった。

彼女はゼネラルモーターズが直面する課題に対処し、企業文化を変革し、電気自動車と自動運転車への移行を推進している。

また、彼女のリーダーシップは、ゼネラルモーターズの従業員や業界全体を鼓舞し、新たな技術とビジョンの追求を推進している。

ジェフ・ベゾス(1964年 - )

アマゾンの創設者であるジェフ・ベゾスは、そのビジョンと起業家精神で、オンラインショッピングの業界を変革した。

彼の追求する極限とリーダーシップは、アマゾンを世界最大のオンライン小売業者に成長させた。

その過程で、彼は数多くの難題を乗り越え、新たなビジネスモデルを開拓した。

ベゾスはその組織内でのリーダーシップと、一貫して顧客を最優先に考えるという哲学で、アマゾンの従業員や顧客からの支持を獲得している。

ジャック・マー(1964年 - )

アリババグループの共同創業者で、彼はそのカリスマ性とビジョンで、中国の電子商取引産業をリードしてきた。

彼は起業家精神と教育の重要性を強調し、彼のビジョンと哲学は、多くの起業家や経営者に影響を与えている。

また、彼のリーダーシップと情熱は、アリババの従業員やパートナーを鼓舞し、彼のビジョンを追求するために共に働く意欲を喚起している。

サティヤ・ナデラ(1967年 - )

マイクロソフトの現CEOであり、彼は企業文化の変革と、クラウドコンピューティングに重点を置いた新しい戦略の導入により、マイクロソフトを再活性化させた。

彼は「成長のマインドセット」を推進し、社員が学習と創造性を追求する環境を創出した。

また、彼のリーダーシップは、マイクロソフトの従業員やパートナーを鼓舞し、そのビジョンを追求するために共に働く意欲を喚起している。

シェリル・サンドバーグ(1969年 - )

フェイスブックのCOOで、彼女は「リーン・イン」運動を通じて、女性のリーダーシップと職場での平等を推進している。

彼女のメッセージは、女性の自信と野心を高め、彼女たちがリーダーシップの役割を追求することを奨励している。

また、彼女の影響力は、彼女が取り組む問題に対する認識を高め、行動を起こすよう人々を動かしている。

イーロン・マスク(1971年 - )

起業家でテスラとスペースXの創設者であるエロン・マスクは、そのビジョンと起業家精神で、電気自動車と民間宇宙飛行の分野を革新した。

彼の情熱と野心は多くの人々を引きつけ、彼のビジョンを共有しようとする人々を集めている。

彼はその大胆なアイデアと革新的な技術で、多くの人々を驚かせ、彼の会社やプロジェクトに対する支持を集めている。

マララ・ユスフザイ(1997年 - )

パキスタン出身の女性教育活動家マララ・ユスフザイは、女性の教育権を主張し、そのためにタリバンから攻撃を受けた。

彼女の勇敢さと強さは世界中の人々を動かし、彼女は2014年にノーベル平和賞を受賞した。

マララは、自身の経験を元に世界中の女性の教育問題に光を当て、多くの人々が彼女の活動に賛同し支援するようになった。

彼女の勇敢さと語りかける力は、人々の心を掴み、彼女の目指す目標に共感し行動を起こすように動かした。

まとめ

歴史に名を刻む人物と言ってもあまりにもかけ離れている人たちを出してもピンとこないと思い、できるだけ2023年7月時点でも活躍している人たちをピックアップした。

聞いたことがある人物も多いとは思うが、やはりここに挙がってくる人たちは人心掌握術に長けていると言わざるを得ないだろう。

穿った言い方をすれば、人たらしという表現もできると思うが、私からすると人たらしという言葉は褒め言葉だということは理解してもらいたい。

なぜなら、私自身も人たらしという人物像に憧れが強いからである。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。