ぼくのかんがえたさいきょうのげーむ、転載&追記

2017年5月に、このタイトルでブロマガに記事を投下したのが、ニコ動の運営にどっかにさらされて、いっぱいコメントとかがついた。

が、そのブロマガも今年10月で閉鎖ということで、なんか寂しくなったので、転載しつつ、若干の追記をしようかと思う。

1)基本コンセプト
・RPGだが、主人公が一般人なのでまったく戦えない。
・ボスへの対処法が「説得する」「強い人とパーティを組んで戦ってもらう」「ギミックを解いて弱体化」「戦わないで済むルートを探す」等、基本的に毎回違う対策を求められる。
・主人公が倒れるとセーブポイントの街から再開(理由は時間遡行能力でも、命からがら逃げ出したでも、気がつくと病院だったでも、「しんでしまうとはなさけない」でも、なんでもいい。主人公が倒れると進めないのだが、倒れたことによるストレスは可能な限り少なくする。死にゲーなので)
・戦闘以外で金を稼げるシステムが豊富にあるとよい。貿易や、依頼等。商売系ミニゲームも可。むしろ戦闘では金は一切稼げなくてもいい。

2)ゲームの基本設定
・パラメータはHP、MP、攻撃、防御、素早さ、賢さ、社交性、加護の8つ。
・主人公のHPは1でMPは0で攻撃も防御も0、戦闘特技は覚えず、レベルで上昇するパラメータは素早さと賢さのみ(賢さは一部イベントで必要)、ほとんどの武具は装備不可。
・戦闘開始時、敵に言葉が通じる場合に限り、「たたかう」「せっとく」から選べて、「せっとく」に成功すると戦闘回避(経験値はもらえない:失敗すると奇襲される:社交性と賢さで判定:ワイロを積む必要があることも)
・習得言語というスキルがあって、言語が増えると説得できる敵が増える。

3)序盤の攻略法
・シンボルエンカウントが望ましい。基本的にはシンボルを避けて進む。
・万が一戦いになった場合でも、店売りの道具を使えば勝てる可能性もある。が、序盤は素早さが低いので先制されて死ぬ可能性が高い+道具は使い切りの上に高くてすぐ金が尽きる。
・二番目の街に着けば傭兵を雇える。「かばう」技能持ちと攻撃役がいれば敵と戦える。
・そして、その直後のボス戦で敵ボスが全体攻撃を撃ってきて、かばう貫通して頭を抱えるまでがテンプレ。(「かばう」技能は単体攻撃しかかばえない)

4)中盤の攻略法
・ほとんどのボスが全体攻撃や多彩な状態異常持ちであり、正攻法では絶対に途中で主人公が死ぬ。
・しかも傭兵のレベルはイベント以外では上がらないので、武器防具を交換するくらいしか強化できない。
・スキル屋でインスタントスキルの付け替えができるようになる。どうしても戦わなければならない敵が火属性の全体攻撃を使うので「火属性カット」のスキルを買って付けて、かばう持ちの傭兵と組んで行く、等。

5)終盤の攻略法
・スキル屋のスキルが充実していくので、加速度的に攻略が楽になる。
・主人公の素早さが上がって敵に先制できるようになり、アイテムを使ってソロ狩りもできるようになる。
・金も簡単に稼げるようになり、それによって主人公にアイテム使いとしての役割が生まれるほど。
・ボスも、全体攻撃は属性を知っていれば対策可+回避率上昇スキルもあるので、いくぶんごり押しできるような難易度に。
・一部ボスは「せっとく」が正攻法なのに、弱くて倒せちゃったりもする。
・以上のように、終盤にはこのゲームの難易度、ストレスは激減するが、それはすべてラスボス戦の布石である。

6)ラスボス
・ギミックなしだと、開幕回避不能無属性全体攻撃ぶっぱで即死する。
・ギミックをひとつ解けばその攻撃は使ってこないが、毎ターン回復する上に多彩な状態異常+多彩な属性攻撃+無属性攻撃+かばう無効攻撃+鬼の命中率で長期戦だと主人公が絶対死ぬ。
・つまるところ、終盤のヌルゲーっぷりが全部、鬼畜ラスボスへ向けてのフェイントである。ラスボスはギミックを解かないと絶対に攻略できない。
・なお、隠しイベントを攻略することでキーとなるNPCを傭兵に加えれば、なんと「せっとく」が可能。その場合エンディングが変わる。

7)余談
・主人公レベル1クリアとかできると面白いよね。


以上が、元記事に書かれてあったことだった。

以降追記。まず、これについてコメントの中で多くの人から、「TRPGでやれば?」という意見をいただいた。率直に言って、TRPGでこれが実現できるとはまったく思わないので、それについて書いておく。

まず、TRPGはCRPGをはるかに超える形で、セッション構造に縛りがある。具体的に言うと、たとえばFEAR系のフェイズで管理されている作品ならクライマックスフェイズで必ず戦闘があり、そこでゲーム的要素としてのステータスや特技などが花開く。ネクロニカとかでも同様。たぶん縛りこそないけど、ゲーム性的にSW2.5も似たようなもんじゃないかなあ。

で、上のゲーム、根本的にその構造とめちゃくちゃ相性悪いんだわ。ぶっちゃけると、FEAR系のPC1に当たる人間が「戦闘で活躍できない」という構造になっている。昔、実際にマスタリングして言われたことだが、PC1に割り振られたPLが戦闘で活躍できないのはかなりストレスを感じると言われた。僕はそのとき、PC1には物語の分岐点で重要な意思決定をしてもらうことだけを要請していて、成長とかはPLに任せていた結果、PC1のPLがルールに慣れていなくて戦闘で置いてけぼりになって、結果としてかなり悪い雰囲気になった。たぶん上のゲーム案をTRPGのシナリオに落とし込んだら極めて高確率でそれと同じ現象が起こるよ?

ちなみに、「ギミック解いて戦って勝つこともできるが、戦わないで勝つこともできる」というのが上のシステムの肝なのだから、「戦いでは解決できない」ことを最初から織り込んだゲームともやはり相性悪い。具体的にはクトゥルフのことね。だから結局八方塞がりで、TRPGには落とし込めないと思う。この案はあくまで、CRPGでしかできないことなのだ。

なお、ツクールで自分で作れという意見もあった。マジレス乙と返しておく。僕は文章書きなんで、そんな時間あったら小説か論文書いてるよ。あと20歳若かったら考えてた。以上。

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